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2011 年度 実績報告書

3次元多様体とその基本群の表現の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11J01121
研究機関大阪大学

研究代表者

蒲谷 祐一  大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード基本群の表現 / 2・3次元多様体 / 双曲幾何学 / Fenchel-Nielsen座標
研究概要

今年度の主な成果はFenchel-Nielsen(FN)座標の拡張について結果をまとめた事である。これまでに構成されていた物よりもずっと広いクラスのPSL(2,C)表現に対して座標系を与えることができた。FN座標は曲面の幾何とトポロジー,一変数函数論でも基本的な物であり,この結果は大変意義があると考えている。その過程でSL(2,C)表現に対する座標系も得た。これらの座標は曲面のパンツ分解と呼ばれる物に対して定まるが,これを取り替えた場合の座標変換の公式も完全に書き下した。古典的なFN座標の場合でも完全な変換公式は知られていなかったので重要な結果であると思う。またこの座標系においてTeichmuller空間がどのように入っているか記述した。
平成23年度の最後の3ヶ月間はフランスでの長期研究集会に参加していた。そこでFock-GoncharovによるPSL(n,C)表現の記述の方法を学ぶ機会があった。その手法を利用して,Fenchel-Nielsen座標のPSL(n,C)版を構成する事ができた。現在,共同研究で結果をまとめている最中である。この研究集会では曲面群の表現に関する幅広い知識が得られた。また表現の空間のコンパクト化の手法についても学べた。自分の仕事の応用先を見つけると言う意味でも大変有益であった。
圧縮不可能曲面の研究では,私の仕事をnormal surface theoryの形で記述するという
Dunfield-Garoufalidisの仕事が現れた。自分の仕事がこの分野の重要な研究者によって続けられたと言う点で追記しておきたい。
現在はほとんど研究を行っていないが,quandleについての仕事で大きな研究集会での招待講演の機会を頂けた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

とくにPSL(2,C)表現のFenchel-Nielsen座標の変換公式を完全に記述した点で計画通り進展したと言える。その上,FN座標をPSL(n,C)表現まで拡張できたことは計画以上の成果であった。

今後の研究の推進方策

現在PSL(n,C)表現へのFenchel-Nielsen座標の一般化の仕事をまとめているところである。フランスの研究集会で関連する仕事の講演があったので,できる限り早くこの結果を論文にしたい。座標変換の公式の応用として,曲面上の単純閉曲線のDehn-Thurston座標の変換公式についても取り組んでいたが,今年度中には結果が得られなかった。こちらも続行していきたい。また私の与えた座標系のなかで離散表現がどのように入っているか,コンピュータプログラムを作成して調べる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Exceptional surgeries on (-2,p,p)-pretzel knots2012

    • 著者名/発表者名
      K.Ichihara, I.D.Jong, Y.Kabaya
    • 雑誌名

      Topology and its Applications

      巻: 159 ページ: 1064-1073

    • DOI

      doi:10.1016/j.topol.2011.11.012

    • 査読あり
  • [学会発表] Quandle homology and group homology2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Kabaya
    • 学会等名
      East Asian Conference on Algebraic Topology
    • 発表場所
      東京大学数理科学研究科(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-05

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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