研究概要 |
適切な身体活動は,メタボリックシンドローム(MetS)や生活習慣病の予防に貢献することから,最近の日本の健康政策においてもこれまで以上に身体活動・運動施策が重視されるようになってきている.その一環として,2006年厚生労働省は,「健康づくりのための運動指針2006」を策定した.しかしながら、日本人のための身体活動量基準値であるにも関わらず欧米人のエビデンスを中心に基準値が設定されているという課題がみられる.そこで、本研究では、日本人中年者を対象に客観的に評価した身体活動とMetSとの関係を検討し、MetSを予防するために必要な至適身体活動量を検討することを目的とし、研究を進めてきた。 本年度においては、約600人の中高齢者を対象に3軸加速度計を用いて日常の身体活動量を測定し、MetSとの関連性およびMetSの予防に必要が日常身体活動量レベルを検討した。本年度に実施したこれらの成果については、国際ジャーナルに論文として発表した。これまで、運動がメタボリックシンドロームの予防や改善に効果的であることが多数の研究エビデンスから発表されているが、日常の活動量さらには、メタボリックシンドロームの予防に必要な日常活動量レベルを検討した初めての研究であった。また、2年目に計画していた課題II(3か月間の介入研究)についても、本年度において実行するすることができ、これらの研究成果についても日本体力医学会および日本体育学会にて口頭発表を行った。これらの結果についても、国際ジャーナルでの論文を投稿中である。
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