研究課題/領域番号 |
11J01301
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
周 金佳 早稲田大学, 情報生産システム研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 8Kx4k / motion estimation / MEエンジン |
研究概要 |
すでに放送サービスを開始しているフルハイビジョン(1920x1080)の4倍、16倍の超高精細動画像は、次世代の画像アプリケーションで利用されることが有望視されている。本年度の研究は、8kx4kの動き推定(ME : motion estimation)アーキテクチャを開発した。8kx4kのような大規模画像データでは、1つのMEエンジンで高スループットを達成することは難しく、複数のMEエンジンを並列に動作させてスループットを上げることが必要となる。 1.まず、従来はスライスレベルでの並列化が行われてきたが、フレームレベルの並列化を導入して高速化方法を提案した。ソフトウエアモデルをもとに、並列エンジンを最大に利用できる同期方式とスケジューリング方式の課題に取り組み、最大のスループットを達成するアーキテクチャを開発した。またメモリバンド幅削減に向けて、複数のMEエンジン間で探索領域を再利用が可能キャッシュ構造方式を開発した。フレーム間で探索領域の共有化を行うことにより、MEのメモリバンド幅を50%~70%削減した。 2.次に、高い予測性能を維持しつつ、計算複雑性を減少させるアルゴリズムである交互非対称探索範囲割当法を提案し、ハードウエアとして実現し有効性を確かめている。従来の方法と比べて、BD-PSNR(Bjontegaard Difference Peak Signal Noise Ratio)とBD-Rateはほぼ同じであり、計算時間は70%の削減が行えている。 以上の2つ方式の導入と、GOP構造に対して、動的にMEエンジンを割り当てることも行うことで、300MHzで8kx4k@60fpsが達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画を合理的に策定しました。遭遇した問題が順調に解決されました。
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今後の研究の推進方策 |
8kx4k@,60fpsをリアルタイムでMEエンコードするSoCの開発を行う。目標を達成するSoCを実現するために、ハードウエア記述言語で記述し、シミュレーションによって機能を検証し、論理レベル、レイアウトレベルで性能を確認し、SoCとして実現する。
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