近年、緑茶ポリフェノールを主成分とするPolyphenon E^<TM>がヒト第二相臨床試験において慢性リンパ性白血病患者(CLL)に対し顕著な抗がん作用を発揮することが報告された。実際に、本臨床試験においてPolyphenon E^<TM>の投与はステージングの基準となるリンパ節腫脹を29名中9名において完全に消失せしめ、また29名中21名においてその抗がん作用は有効であると判定された。このことから、Polyphenon E^<TM>は慢性リンパ性白血病における新規治療薬として非常に有望であると考えられる。一方で、慢性リンパ性白血病における一般的に用いられている分類であるZAP-70、CD38の有無とPolyphenon E^<TM>の効奏率に有意な相関はなくPolyphenon E^<TM>の感受性を決定づける因子は不明であった。今回我々はPolyphenon E^<TM>の主要成分であ(-)-epigallocatechin-3-O-gallate (EGCG)の感受性を規定する因子を発見し、さらに、その発現を簡便に検出できる手法を明らかとした。このことから、フローサイトメーターのような比較的容易かつ定量性の高い方法により、Polyphenon E^<TM>の感受性を予想できると考えられる。
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