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2013 年度 実績報告書

世紀末ウィーンにおける芸術と精神医学に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11J01500
研究機関京都大学

研究代表者

古川 真宏  京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードグスタフ・クリムト / エゴン・シーレ / オスカー・ココシュカ / 様式 / ゴットフリート・ゼンパー / アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ / 世紀末ウィーン / モード
研究概要

本年度は、「世紀末ウィーンにおける芸術と精神医学」についてのこれまでの研究の成果をまとめ、論文「世紀末ウィーンの芸術における病理学的身体――クリムト的女性像に関する一考察」として紀要『ディアファネース――芸術と思想』(査読有)で発表した。この論文は、当時「世紀の病」として広く認知されるようになったヒステリーと精神衰弱という二つの病の観点から、様々な芸術分野に対する精神医学の影響をまとめたものである。当論文では、世紀転換期の女性像を芸術批評・医学的言説・図像との比較・分析を通じて、ヒステリー的ファム・ファタールと神経衰弱的ファム・フラジールの二つの類型に分類した。また、グスタフ・クリムト、エゴン・シーレ、オスカー・ココシュカの作品、臨床の現場における神経衰弱の女性像、シュルレアリスムにおけるヒステリーの女性像などと比較することで、芸術的主題としての病理学的身体の系譜を描き出した。
また、前年度の研究のテーマであった「スタイルとモード」という問題系についても同時に研究を進めた。その研究過程で重要な参照項として浮かび上がってきたゴットフリート・ゼンパーの様式論とアンリ・ヴァン・デ・ヴェルデの服飾論については、加藤哲弘編『芸術教養シリーズ28芸術理論古典文献アンソロジー西洋篇』において、解説・抄訳のかたちで概要を発表した。また、このテーマに関する論文「ウィーンの/とファッション」(仮題)は、池田裕子編『ウィーンー総合芸術に宿る夢』(竹林舎、2016年春刊行予定)に掲載されることが決定している。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 世紀末ウィーンの芸術における病理学的身体-クリムト的女性像に関する一考察」2014

    • 著者名/発表者名
      古川真宏
    • 雑誌名

      ディアファネース-芸術と思想

      巻: 第1号 ページ: 147-176

    • 査読あり
  • [図書] 芸術教養シリーズ28 芸術理論古典文献アンソロジー 西洋篇 [「第40章 技術的、結構的芸術における様式、あるいは実践的美学 ゼンバ-―技術論としての芸術様式論」、「第45章 現代の婦人服における新しい芸術原理-ヴァン・デ・ヴェルデ」]2014

    • 著者名/発表者名
      共著、加藤哲弘編
    • 総ページ数
      396 (309-314、347-354)
    • 出版者
      京都造形芸術大学・東北芸術工科大学出版局藝術学舎 (2014年6月刊行予定)
  • [図書] 「ゲオルク・ジンメル『モードの哲学』」Vanitas 第3号2014

    • 著者名/発表者名
      岸本督司、古川真宏、渡辺洋平
    • 出版者
      vanitas 編集部(印刷中)(2014年6月刊行予定)

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公開日: 2015-07-15  

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