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2011 年度 実績報告書

磁化プラズマ中電子温度勾配による異周波数結合不安定励起機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J01638
研究機関東北大学

研究代表者

文 贊鎬  東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード電子温度勾配 / プラズマ不安定性 / ETGモード / ドリフト波モード / バイコヒーレンス
研究概要

磁場閉じ込め核融合研究において経済的な核融合発電を実現するため重要な課題として浮上している電子異常輸送の起因である電子温度勾配(ETG)不安定性(ETGモード)駆動乱流の機構解明が求められている.初年度は,ETGモードの励起・抑制メカニズムを明らかにするため,基礎プラズマ実験装置を用いて電子温度,空間電位,電子密度の空間勾配を独立に能動的に制御し,ETGのみを変化させてプラズマ中の不安定性に及ぼす効果について調べた.
1.電子温度勾配による高周波不安定性(ETGモード)の励起
プラズマの電子密度,空間電位が一様な空間分布の条件下で電子温度勾配を形成し,その時のプラズマ中の不安定性に対する効果を調べた結果,高周波(~0.4MHz)揺動(ETGモード)の励起が観測された.その揺動強度は電子温度勾配が形成されている位置で最大となっており,かつ電子温度勾配度に比例して揺動強度が変化することが分かった,以上の結果より,電子温度勾配がETGモードを励起することを明らかにした.
2.ETGモードによる低周波不安定性(ドリフト波モード)の増幅
電子温度勾配と密度勾配が存在するとき,周波数~4kHzの低周波揺動(ドリフト波モード)が観測されており,揺動強度が電子温度勾配が形成された位置で増加していること,および電子温度勾配度に比例して揺動強度が変化することが分かった.
3.ETGモードとドリフト波モードの相関関係
バイスペクトル解析を用いてETGモードとドリフト波モードの相関関係を調べた結果,電子温度勾配が存在するときに二つの揺動の非線形結合度が強くなることを観測した.以上の結果から電子温度勾配によって励起されたETGモードが低周波揺動との非線形結合によってドリフト波モードを変調し,その揺動強度を増幅させることを明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の計画のとおりにETGモードの励起と測定を行うとともに,バイスペクトル解析を行い,ドリフト波モードがETGモードとの結合によって励起されていることを実証したため.

今後の研究の推進方策

ETGモードの理論を実験的に検証するため,短波長(電子ラーマ半径程度)の波長を精確な計測手法を確立する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Effects of Gas Pressure on Electron Temperature Gradient Mode in Magnetized Plasma2011

    • 著者名/発表者名
      Chanho Moon
    • 雑誌名

      Proceedings of PLASMA2011

      ページ: 23F-02

    • 査読あり
  • [学会発表] 電子温度勾配モードと広帯域高周波揺動の非線形結合解析2012

    • 著者名/発表者名
      文贊鎬
    • 学会等名
      第67回春季物理学会学術講演会
    • 発表場所
      西宮市
    • 年月日
      2012-03-25
  • [学会発表] 磁化プラズマ中電子温度勾配モードに対する作動ガスの圧力効果2011

    • 著者名/発表者名
      文贊鎬
    • 学会等名
      Plasma Conference 2011
    • 発表場所
      金沢市
    • 年月日
      2011-11-23
  • [学会発表] Suppression of Electron Temperature Gradient Mode by Controlled EXB Velocity Shears in Magnetized Plasmas2011

    • 著者名/発表者名
      C.Moon
    • 学会等名
      The 53rd Annual Meeting of the APS Division of Plasma Physics
    • 発表場所
      Utah(USA)
    • 年月日
      2011-11-15

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公開日: 2013-06-26  

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