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2011 年度 実績報告書

界面追跡による流れ模様の生成

研究課題

研究課題/領域番号 11J01731
研究機関九州大学

研究代表者

安東 遼一  九州大学, 芸術工学研究院, 特別研究員(DC1)

キーワードコンピューターグラフィックス / 流体力学
研究概要

本年度では,以下2点の項目について遂行した.
・近隣堺面の検出アルゴリズムと薄膜モデルの実装
・3次元平面の薄膜の実装
本研究の目的は「水」の表面(界面)の変化を正確に捉えられるアルゴリズム(界面追跡法)を開発することである.特に,水の薄い膜は,従来のシミュレーションでは計算解像度の問題より,正確に追跡することが困難である.例えば,レベルセットを用いた手法では,このような水の薄い膜は消えてしまい,通常の粒子を用いた手法では,薄い水の層はばらばらに分断してしまう.この問題を解決するために,まず本年度では,薄膜の界面追跡基礎モデルを「サーフェス面を用いた手法」から「粒子」を用いた手法に変更した。そして,粒子をアダプティブに分裂することにより,薄い水の層の保持に成功した.粒子を用いることにより,アルゴリズムが簡素になり,サーフェス面を用いた手法では困難だった「トポロジーの変化」を頑健に追跡することにも成功した.また,粒子を用いた薄膜の追跡モデルを3次元で実装した.加えて,このモデルを3次元流体シミュレーションと組み合わせ,その有効性を確認した.薄膜のレンダリングは,粒子の距離に応じて変化する陰関数をレイトレースして行っている.陰関数のレンダリングは,マーチングキューブを用いてメッシュに変換し,既存のレンダリングエンジンを用いて行った.粒子を用いた薄膜の界面追跡モデルは新規性が認められ,国際学会や国際雑誌にて研究成果を報告した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

界面追跡法をサーフェスモデルから粒子モデルに切り替えることによって,全く新しいアプローチで薄膜を保持することができた.また,その成果は国際学会に認められ,国際誌にも掲載されることになった.これは当初計画していた以上の進展である.

今後の研究の推進方策

現段階では薄膜粒子の実装はCPUで行われており,一部のアルゴリズムの並列化が困難である.例えば,分裂や結合で生成される粒子は,一様な密度を保つように生成される必要があり,この箇所の並列化は困難である.来年度では,この点の改良に加え,基礎となる流体力学の流れ場の計算の強化,表面張力の表現への対応や並列計算による速度向上を計画している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Preserving Fluid Sheets with Adaptively Sampled Anisotropic Particles2012

    • 著者名/発表者名
      Ryoichi Ando, Nils Thurey, Reiji Tsuruno
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics

      巻: (PrePrints)(未定)

    • DOI

      10.1109/TVCG.2012.87

    • 査読あり
  • [学会発表] A Particle-based Method for Preserving Fluid Sheets2011

    • 著者名/発表者名
      Ryoichi Ando, Reiji Tsuruno
    • 学会等名
      Symposium on Computer Animation (SCA)
    • 発表場所
      バンクーバー
    • 年月日
      2011-08-05
  • [備考]

    • URL

      http://vacation.aid.design.kyushu-u.ac.jp/~and/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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