• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

界面追跡による流れ模様の生成

研究課題

研究課題/領域番号 11J01731
研究機関九州大学

研究代表者

安東 遼一  九州大学, 芸術工学研究院, 特別研究員(DC1)

キーワードコンピューダグラフィークス / 流体シミュレーション
研究概要

本年度は, 液体のアダプティブ計算のための圧力計算効率向上化のアルゴリズムの開発に取り組んだ. 液体を計算するには, ナビエ・ストークス方程式を離散化して解く必要がある. コンピューターグラフィックスではナビエ・ストークス方程式を, 移流項・圧力項に分解し, ストークス方程式として別々のアルゴリズムで計算される. 特に圧力項は移流項に比べ巨大な線形方程式を解く必要があり, 計算コストが非常に高いことで知られる. このため, 流体力学における圧力計算は多くの研究者の間で重要な課題となっている。コンピューターグラフィックスにおける流体力学は, 液面付近の現象の再現に重点が置かれる. この性質を利用して, 本研究では圧力の解の精度を空間で自由に調整可能な新しい圧力の計算法の開発に取り組んだ. 解の精度を空間で調整できるアルゴリズムを開発することで, 液面付近の圧力の精度を局所的に高められ, 効率の良い圧力計算が期待できる. 既存研究のアダプティブグリッドはメッシュ生成コストが高く, またメモリのデータアクセスのパターン化が難しく, キャッシュヒット率の低下により計算の効率化に難があった. そこで, 本研究ではアップサンプルを用いた圧力場の計算法に取り組んだ. 新手法では, 低解像度の圧力場を定義し, これを高解像度に変換された圧力場で, 近似解を計算する. 低解像度の圧力場は局所的に解像度を自由に調整することができるので, 最終的に計算される圧力場の解像度も調整可能となる. 中間結果として, 2次元, 3次元の液体シミュレーションの計算に成功した, その結果, 圧力の線形ソルバの計算を大幅に高速化することに成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は, これまでの研究内容を博士論文としてまとめ, 博士論文「Adaptive Liquid Simulations for Computer Graphics」としてまとめた, および参考論文6件(国際コンファレンス2件, 国際ジャーナル3件, 国内ジャーナル1件)をもとに学位審査時が行われ, 十分な研究成果と信頼性を確認でき, 博士(芸術工学)の学位が授与された.

今後の研究の推進方策

現在取り組んでいる新しい圧力ソルバの研究は, 解の精度が保証されていない. 結果として, 質量保存やエネルギー保存を満たすことができない. 今後の予定として, 精度の高いシミュレーションと比較して, どの程度解が不正確なのか, そしてそれが視覚的にどう影響するのか定量的に調べる必要がある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Highly Adaptive Liquid Simulations on Tetrahedral Meshes2013

    • 著者名/発表者名
      R. Ando, N. Turey, C. Wojtan
    • 雑誌名

      ACM Transactions on Graphics

      巻: vol.32, no.4 ページ: 103:2-103:10

    • DOI

      10.1145/2461912.2461982

    • 査読あり
  • [学会発表] 四面体要素を用いた大規模アダプティブ液体シミュレーション2013

    • 著者名/発表者名
      安東遼一
    • 学会等名
      Visual Computing/グラフィクスとCADシンポジウム
    • 発表場所
      青森(インターネット経由で発表)
    • 年月日
      2013-06-22
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2015-07-15  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi