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2013 年度 実績報告書

遺伝子伝播を用いたバイオフィルム脱離手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11J02321
研究機関北海道大学

研究代表者

田代 陽介  静岡大学, 工学研究科, 助教

キーワードバイオフィルム / 運動性 / c-di-GMP
研究概要

バイオフィルムとは固体表面上に付着する微生物とそれらが生産する細胞外多糖によって構成される高次構造体である。バイオフィルムは、医療面では慢性感染など、産業面では水処理膜の目詰まりや金属腐食などを引き起こすため問題視されている。成熟したバイオフィルムは薬剤や免疫応答に対する強い耐性を有することから、その除去は非常に困難である。そのため、バイオフィルムを完全に除去する新規手法が求められている。多くの細菌では、ある環境条件にさらされた際に自発的にバイオフィルムを崩壊させるメカニズムを有している。本研究では、成熟バイオフィルムが崩壊されるメカニズムを生物学的に解明するとともに、その知見を基として産業面で問題となっているバイオフィルム除去を目的としている。
バイオフィルムから細菌が離脱するためには二つの要素が必要である。細胞外マトリクスの形成が抑制される点と、鞭毛を用いた運動性が向上される点である。それらをコントロールする物質として細胞内情報伝達物質であるcyclic di-GMPが知られている。本研究では大腸菌をモデル微生物として研究を進め、これまでに葉酸代謝経路の阻害剤として知られているトリメトプリムがcyclicdi-GMP濃度を調節することを示してきた。特にトリメトプリムはバイオフィルムの構成成分であるアミロイドタンパク合成を制御していた。前年度までに網羅的遺伝子解析によりトリメトプリムにより変動する遺伝子群を特定したが、本年度は定量的PCRによりその遺伝子転写量の変化を確認した。さらに、数種の変異株を用いてトリメトプリムとバイオフィルムの関係を分子レベルで明らかにした。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Low concentrations of ethanol stimulate biofilm formation in Pseudomon as aeruginosa.2014

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Tashiro, et al.
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      巻: 78 ページ: 178-181

    • DOI

      10.1080/09168451.2014.877828

    • 査読あり
  • [学会発表] Interspecific cell-cell communication with membrane vesicles secreted by bacteria2014

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Hasegawa
    • 学会等名
      UPM-Shizuoka University International Colloquium 2014
    • 発表場所
      マレーシア、プトラ大学
    • 年月日
      2014-03-03
  • [学会発表] Characterization of membrane vesicles secreted by bacteria2013

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Hasegawa
    • 学会等名
      International Symposium on Super-Resolution Imaging 2013
    • 発表場所
      静岡県浜松市アクトシティ
    • 年月日
      2013-12-02
  • [学会発表] 環境細菌が分泌するmembrane vesicleの性質の解析2013

    • 著者名/発表者名
      長谷川 雄将
    • 学会等名
      中部化学関係学協会支部連合秋季大会
    • 発表場所
      静岡県浜松市静岡大学浜松キャンパス
    • 年月日
      2013-11-04
  • [学会発表] 二環式化合物を介した異種細菌間コミュニケーションネットワーク2013

    • 著者名/発表者名
      田代 陽介
    • 学会等名
      中部化学関係学協会支部連合秋季大会
    • 発表場所
      静岡県浜松市静岡大学浜松キャンパス
    • 年月日
      2013-11-03
    • 招待講演

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公開日: 2015-07-15  

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