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2011 年度 実績報告書

Cdk活性化キナーゼによる卵子形成進行制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J02886
研究機関東京大学

研究代表者

藤井 渉  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードCdk活性化キナーゼ(CAK) / 卵子形成 / 哺乳類卵
研究概要

本研究は、細胞周期制御および転写制御の双方に関与するCdk活性化キナーゼ(CAK)の卵成長および卵成熟における機能を明らかにすることを目的としている。本年度は、第一般階として、卵成熟過程におけるCAKの動態をブタ卵を用いて検討し、卵成熟過程ではCDK7およびCyclin HがCAKとして機能し、CDC2 161番スレオニン(CDC2-T161)のリン酸化を介して細胞周期の進行に関与していることが明らかとなった。また、この過程ではCAKはCyclin Bと結合したCDC2のみを基質として認識し、その結果時期特異的にCDC2-T161がリン酸化されることが明らかとなった。次に、転写制御機能の検討のために、ブタ卵におけるBrUTP取り込みによる転写活性測定系およびCAKの基質であるRNAポリメラーゼII C末端ドメイン5番セリンのリン酸化測定系を確立した。この測定系によって、ブタ卵成長過程では転写が積極的に起こっているのに対して、卵成熟過程では転写が抑制され、卵成熟過程ではCAKは転写制御には機能していないことが明らかとなった。次に、転写制御においてCAKと複合体を形成することが知られている各遺伝子の発現コンストラクトを作製した。現在、これらを卵成熟過程で過剰発現させ、CAKが転写制御に機能転換するか検討中である。また、これらの遺伝子について遺伝子改変マウスによる解析を行うために、Zinc-Finger Nuclease(ZFN)による遺伝子改変マウスの作製系の確立を試みている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

卵成熟過程におけるCAKの機能を明らかにし、その成果を世界的に権威ある米国のBiology of Reproduction誌に報告した。また、目標に示したTFIIH遺伝子の発現コンストラクトを構築すると共に、抗体の作製の代わりに遺伝子改変マウスによる解析を行うために、新たな遺伝子改変マウス作製系を考案し、当初の目的に示した以上に優れた検討系を構築した。以上より、当初の計画以上に研究は進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

本年度に構築した発現コンストラクトをブタ卵成熟過程で発現させ、同じく構築した転写活性測定系により、卵成熟過程におけるCAK機能が細胞周期制御から転写制御へ機能転換するか検討する。また、機能転換へ影響を及ぼした遺伝子については、本年度で構築した遺伝子改変マウス作製系によって、ノックアウトマウスおよび発現タグをノックインしたマウスを作製し、卵子形成における発現動態を観察すると共に、CAKの機能転換への生理的な関与や、これらの遺伝子の卵成長過程から卵成熟過程への移行に影響を及ぼしているか検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] CDK7 and CCNH are components of CDK-activating kinase and are required for meiotic progression of pig oocytes2011

    • 著者名/発表者名
      藤井渉
    • 雑誌名

      Biology of Reproduction

      巻: 85 ページ: 1124-1132

    • DOI

      10.1095/biolreprod.111.091801

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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