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2012 年度 実績報告書

繁殖期における海鳥の帰島時刻および帰島開始時刻に関わる制約

研究課題

研究課題/領域番号 11J02916
研究機関東京大学

研究代表者

塩見 こずえ  東京大学, 大気海洋研究所, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2011 – 2013-03-31
キーワード移動 / データロガー / オオミズナギドリ / バイオロギング
研究概要

本研究の目的は、外洋性鳥類であるオオミズナギドリが餌場である海から営巣地である島に戻り始めるタイミングや島に到着するタイミングが、どのような要因に左右されているかを明らかにすることである。
岩手県下閉伊郡山田町船越大島にあるオオミズナギドリの繁殖地で、育雛中の親鳥16羽にGPSデータロガー(Technosmart社製、イタリア)を装着した。このロガーは各時点での緯度経度を誤差数mの精度で記録する。装着から約1週間後に回収作業を開始し、供試個体の再捕獲とロガーの回収を行った。これにより、採餌トリップ中の経路データを取得することができた。実験で得られたデータは現在解析中で、自然環境下での親鳥の帰島行動の特性を明らかにしていくことを目指している。
さらに、親鳥が島に戻る適切なタイミングを知る手がかりやナビゲーションメカニズムを明らかにすることを目的に、GPSロガーを装着した親鳥15羽を人為的に島から約130km離れた沖まで船で運び、放鳥する実験を行った。放鳥地点は島の北東、東、南東の3パターン設定した。放鳥後は島で待機し、戻ってきた放鳥個体を再捕獲してロガーを回収した。強制的に条件を変えた場合の帰島経路データを時間・空間両方の観点から解析することで、野生の海鳥の帰島メカニズムの解明を目指す。
これまでの実験で得られた移動経路データから、オオミズナギドリは日没後数時間以内に繁殖地に到着できるよう、島へ戻り始めるタイミングを遠くにいるときほど早めていたことが明らかとなった。このような移動タイミングの先見的な調整がなぜ行われているのかに着目してデータを解析した結果、島に帰るオオミズナギドリは、夜間の洋上移動を避けようとしていたことが示唆された。つまり、日没までに洋上移動を終えるために、島までの距離に応じて帰り始める時刻を調節していた可能性が高い。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

野外実験によるデータの取得および得られたデータの解析を問題なく進めることができた。

今後の研究の推進方策

これまでに取得した全データを総合的に解析し、本研究課題の成果を学術論文にまとめ、発表する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 鳥類が空気を吸い込み哺乳類が空気を持たずに潜る理由.2013

    • 著者名/発表者名
      佐藤克文,鈴木一平,塩見こずえ,青木かがり,楢崎友子, Patrick JOMiller
    • 学会等名
      平成25年度日本水産学会大会
    • 発表場所
      東京海洋大学(東京都)
    • 年月日
      2013-03-29
  • [学会発表] 動物搭載型記録計により明らかになったオオミズナギドリの飛翔特性2013

    • 著者名/発表者名
      米原善成,塩見こずえ,佐藤克文
    • 学会等名
      第60回日本生態学会大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡県)
    • 年月日
      2013-03-06
  • [学会発表] 繁殖期における海鳥の帰巣に関わる時間的制約2012

    • 著者名/発表者名
      塩見こずえ,依田憲,佐藤克文.
    • 学会等名
      第31回日本動物行動学会大会
    • 発表場所
      奈良女子大学(奈良県)
    • 年月日
      20121124-20121125
  • [学会発表] Preen gland oil of GPS tracked Streaked Shearwaters indicate spatial pattern of marine pollution in the seas around Japan2012

    • 著者名/発表者名
      A. Ito, R. Yamashita, H. Takada, T. Yamamoto, K. Shiomi, C. Zavalaga, T. Abe, S. Watanabe, M. Yamamoto, K. Sato, H. Kohno, K. Yoda, T. Iida and Y. Watanuki.
    • 学会等名
      第8回日本バイオロギング研究会シンポジウム
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      2012-10-27
  • [学会発表] POPs in the preen gland oil of Streaked Shearwaters breeding on the islands in Japan reflect marine pollution in western North Pacific,2012

    • 著者名/発表者名
      A. Ito, R. Yamashita, H. Takada, T. Yamamoto, K. Shiomi, C. Zavalaga, Y. Abe, S. Watanabe, M. Yamamoto, K. Sato, H. Kohno, K. Yoda, T. Iida, Y. Watanuki.
    • 学会等名
      PICES 2012 Annual Meeting
    • 発表場所
      International Conference Center (広島県)
    • 年月日
      2012-10-17
  • [学会発表] Diving behavior and foraging success 1n European shags: effects of bird age and foraging habitats2012

    • 著者名/発表者名
      Watanuki, Y Sato, K, Shiomi, K, Wanless, S, Daunt, F.
    • 学会等名
      日本鳥学会2012年度大会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2012-09-15
  • [備考] Webナショジオ:「研究室」に行ってみた

    • URL

      http://nationalgepgraphic.jp/nng/article/20121107/329657/

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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