研究課題/領域番号 |
11J03163
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
星谷 尚亨 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(PD)
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キーワード | パラジウム触媒 / クロスカップリング / フォスフィンリガンド |
研究概要 |
【研究目的】立体的に多様な創薬用低分子化合物ライブラリーの多検体迅速構築本研究では、Pd触媒を用いる鈴木-宮浦カップリング反応および炭素-窒素カップリング反応が鍵となる。そこで、平成23年度は、本研究目的を達成するために、炭素-窒素カップリング反応の開発者であるBuchwald教授の研究室に留学し、Pdカップリング反応に関する必須基本研究の遂行を計画した。Buchwald教授のもとで最先端のPd触媒カップリング反応に関する研究に従事することは、多様性のある化合物ライブラリーを作る本研究を展開するために、重要である。以下、Buchwald研究室での研究成果について記載する。【背景】Buckwald教授らが創出したビフェニルフォスフィンリガンド(Buchwaldリガンド)は、Pd触媒を用いるカップリングにおいて今日広く用いられている重要なリガンドである。1.安価なフォスフィンリガンドの創出解決すべき問題点:既存のBuchwaldリガンドは、高価な試薬(>$40/g)を使用している。そのため、より安価なリガンドを創出する必要がある。得られた結果より安価な試薬(>$2/g)を用いて新規リガンドを合成し、クロスカップリング反応に対し良好な活性を示すことを明らかとした。2.プレキャタリストへの展開解決すべき点:新規リガンドは、1回の反応で用いる使用量が比較的多かった。得られた結果、プレキャタリスト(Pd触媒とリガンドがすでに結合した化合物)を用いることで、1回の使用量を半分にすることに成功した。3.新規プレキャタリストの機能評価はっきりさせる点:新規プレキャタリストの基質適応範囲得られた結果、既存のBuchwaldリガンドに比べ使用量が若千多いものの、既存のリガンドと同様に窒素、酸素および硫黄などの原子を含む広い化合物の反応にも使用することが可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
米国へ留学したことにより本研究の進捗がわずかであるが遅れている。しかしながら、留学先において本研究の重要な反応となる鈴木-宮浦カップリングおよび炭素-窒素カップリングの新しい経験を得ている。この経験が今後の研究の進捗をスムーズにするものと確信しており、概ね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
帰国前より難しい化合物を用いたカップリング反応における反応条件の開拓 鈴木-宮浦カップリング反応および炭素-窒素カップリング反応は、広い化合物に対して使用できる。しかしながら、適応できない化合物、適応できるが反応の収率が低い化合物が今日でもある。そのような化合物を用いたカップリング反応を高収率で可能にするために、反応条件の検討を行う。この検討は、本研究の化合物ライブラリーを充実させるために重要な検討となる。 帰国後:留学先で見出したカップリング反応条件のライブラリー構築への適応 留学先で見出した反応条件を用いて、実際にライブラリー構築に適応できるか検討を行う。それらの反応条件を用いて化合物ライブラリーの充実を図る。
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