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2012 年度 実績報告書

近赤外高分散エシェル分光器の開発による木星熱圏ダイナミクスの観測的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11J03411
研究機関東北大学

研究代表者

宇野 健  東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード赤外観測 / 木星 / オーロラ / 分光 / 熱圏
研究概要

昨年度に国立天文台Subaru/IRCSを用いて実施した木星観測では、新たな展望として、Subaru/IRCSに取り付けられた補償光学を用いて、地球大気のゆらぎを補正し、望遠鏡の回折限界に迫る高い空間分解能のオーロラ観測を実施した。高い空間分解能でオーロラ帯の木星ディスク辺縁付近を観測することにより、H_2とH_3^+のオーロラ発光高度を直接導出することが可能となる。本年度は、このデータを画像解析することで、これまで未知であった赤外のH_2とH_3^+(振動準位ν_2=2→0,およびν_2=3→1)のオーロラ発光高度を直接導出した。発光高度の導出には、先行研究に習いオニオンピーリングと呼ばれる手法を用いた。これは、オーロラ発光層を複数の薄い層に区切り、上層から順に単位体積あたりの発光強度を導出する手法である。本研究で用いたオニオンピーリングの手法には2つの仮定が置かれている。一つ目は、オーロラ発光層が光学的に十分薄く、視線方向で最も奥の大気から放出された光も、途中で吸収されることなく観測者に到達する、という仮定である。二つ目の仮定は、オーロラが水平方向に一様である、というものである。私はオーロラ発光の構造をモデリングし、水平構造の影響を調べた。その結果、今回のオーロラ観測ジオメトリの条件に置いては、オニオンピーリングで得られる高度分布は、もとの高度分布をよく再現することが分かった。
従って、今回の観測に対してオニオンピーリングを適用することは妥当であるという結論が得られた。
近赤外高分散エシェル分光器の開発においては、昨年度新たに開発、導入した回折格子駆動機構に再現性の課題が見つかり、これを改善するための改修を施した。また、フィルター交換機構や画像・分光切替機構をはじめとする各コンポーネントを製作し、赤外分光器の完成に目処をつけた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] On the feasibility of characterizing Jovian auroral electrons via H3+ infrared line-emission analysis2012

    • 著者名/発表者名
      Tao, Chihiro, et al.
    • 雑誌名

      Icarus

      巻: 221 ページ: 236-247

    • DOI

      10.1016/j.icarus.2012.07.015

    • 査読あり
  • [学会発表] 地上高空間分解能観測による、木星近赤外オーロラ発光の高度分布導出2012

    • 著者名/発表者名
      宇野 健
    • 学会等名
      地球電磁気・地球惑星圏学会 第132回総会・講演会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター、札幌市
    • 年月日
      2012-10-21
  • [学会発表] Jovian infrared H3+ and H2 aurora observed by SUBARU/IRCS2012

    • 著者名/発表者名
      Kasaba, Yasumasa
    • 学会等名
      AOGS meeting 2012
    • 発表場所
      シンガポール、シンガポール(代理発表)
    • 年月日
      2012-08-16
  • [学会発表] The first observation of the altitude distribution of Jovian near-IR auroral emission using SUBARU/IRCS with Adaptive Optics2012

    • 著者名/発表者名
      Uno, Takeru
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2012年大会
    • 発表場所
      幕張、千葉市
    • 年月日
      2012-05-23

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公開日: 2014-07-16  

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