研究課題/領域番号 |
11J03491
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
堀 安範 国立天文台, 理論研究部, 特別研究員PD
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キーワード | ガス惑星 / 惑星形成 / 系外惑星 / 惑星探査 / レーザー圧縮実験 / 金属水素 / N体計算 / 中間質量星 |
研究概要 |
「系外ガス惑星からガス惑星の形成・進化過程の情報を読み解く」を研究目的とし、理論・観測・実験それぞれの観点から研究に取り組んでいる。 理論として、「巨大惑星のコア形成(ガス惑星存在下での他のコアの競合的成長)」の解明である。現在、惑星による摂動の効果を半経験的なモデルを用いたN体計算を進めている所である。これらの成果については、計算時間の問題もあるため、次年度以降になる予定である。 次に、観測については、「中簡質量星周りに存在する系外ガス惑星の軌道分布および存在頻度」の決定である。今年度は、まずは観測可能な天体候補の選定および観測戦略(必要な観測時間など)の評価を実施。加えて、今年度に発表されたKepler宇宙望遠鏡で同定された惑星候補天体についても同様の評価を行った。これらの評価を踏まえて、次年度から観測を実施して行くことを予定している。こうした観測戦略以外には、Keplerの観測結果を統計的に解析することで、中間質量星周りのガス惑星の頻度分布を決定した。 最後に、実験では、レーザー圧縮実験により「ガス惑星の磁場生成源、金属水素を」狙うことを目指している。具体的には、平板ダイヤモンドアンビルセル(DAC)で液体水素を10GPaまで静的に圧縮(プレコンプレッション)する。その後、平板の上下面からレーザー照射し、液体水素層を加熱する。それと同時に、発生した衝撃波とその反射衝撃波による二段圧縮で200GPaを実現する。そして、圧縮水素(200GPaまで)の圧力・密度関係を求める。同時に、200GPa付近の圧縮水素層の電気伝導度を測定し、金属水素の確認と、水素の金属化の圧力・温度条件の決定を目指す。この実験については、現在大阪大学レーザーエネルギー学研究センターにて実験実施に向けてのテストがなされているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初の研究計画の各々のテーマすべてについて着手し、進めることが出来ている点。併せて、次年度にはそれらの成果がまとまり発表出来る段階にある点。これらの2点から、達成度評価としては、「おおむね順調に進展している」と考える。
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今後の研究の推進方策 |
10の項目で前述した通り、今後の推進方策としては以下の予定している。 (理論)ガス惑星の摂動効果入りのN体計算を進めて行く (観測)本年度の観測評価を踏まえて、主にKeplerの惑星候補天体に焦点を当てて、Keck望遠鏡で観測を開始する (実験)引き続き、液体水素の二段圧縮実験の技術確立およびテストを行って行く
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