Toll-like receptor (TLR) 3は、dsRNAを認識する受容体であり、エンドソームに発現しているため、dsRNAは細胞外からエンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれる必要がある。このとき、dsRNAはCpG DNAと共通の細胞表面受容体を介して取り込まれると考えられているが、受容体は未同定である。そこで、dsRNA取り込み受容体の同定を目指してdsRNA-CpGDNA複合体に結合する分子の単離を試みた。Biotin化dsRNA-CpG DNA複合体をHEK293細胞の膜画分と反応させ、streptavidinビーズでプルダウンを行った。ここで得られたものを質量分析し、3つの膜貫通ドメインを持つ分子を候補とした。この中のひとつであるLRRC59をノックダウンすると、poly (I : C)刺激によるTLR3依存的なIFN-betaプロモータの活性化が抑制された。LRRC59はER局在タンパク質であることから、TLR3のERからエンドソームへの輸送に間のする可能性も含め、解析を進めた。 また、以前、dsRNA取り込みに関与する分子としてRaftlinを同定した。TLR4依存的なシグナル伝達もTLR3経路と同様に、細胞表面から受容体とともにリガンドが取り込まれ、エンドソームからTICAM-1依存的なシグナル伝達を活性化することから、RaftlinがTLR4経路にも関与するかについて検討した。RaftlinをノックダウンするとLPS刺激によるTLR4依存的IFN-betaプロモータの活性化は減弱したが、KF-kB活性は影響を受けなかった。したがって、TLR4経路においてもRaftlinはTLR4のエンドサイトーシスに関わっている可能性が示唆された。
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