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2013 年度 実績報告書

アレンから形成されるローダサイクル中間体を利用した効率的な多環式骨格構築法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11J03707
研究機関北海道大学

研究代表者

細谷 昭仁  北海道大学, 大学院生命科学院, 特別研究員(DC1)

キーワードRh / アレン / アルデヒド / ヒドロアシル化 / 動的速度論的不斉変換 / メタラサイクル中間体
研究概要

筆者は、アレンから形成されるローダサイクル中間体を利用した新たな環状骨格構築法の開発を目的として研究を行ってきた。これまでにRh触媒とアレン、アルデヒド及びアルキンを分子内に有する基質を反応させると、アルデヒドとアレン及びRh錯体から形成される7員環ローダサイクル中間体を経由して8員環を含む二環式化合物が生成することを見出し、さらに4-アレナール(4-アレニルアルデヒド)とアルキン間での分子間反応への展開にも成功した。本年は、これらの8員環形成反応の開発途上で見出した、ロジウム触媒による4-アレナールの分子内ヒドロアシル化を不斉反応へと展開した。種々反応条件を検討した結果、触媒量のRh-DTBM-Segphos錯体および4-フルオロベンゾニトリル存在下、ラセミ体の4-アレナールを反応させると、目的の6員環ケトンを最高84%収率かつ95%の不斉収率で得ることに成功した。一般にアレンは、その置換形式により軸不斉を有することから、触媒的不斉反応へと展開された例は非常に少ない。その理由としては、おそらく軸不斉を有するアレンはラセミ体として存在するため、光学活性配位子を持つ遷移金属触媒と反応させると、アレンのエナンチオマーと触媒との組み合わせで速度論分割が起こるためと考えられる。今回筆者が見出した分子内不斉ヒドロアシル化反応では原料を回収することなく良好な収率かつ不斉収率で生成物を与えたことから、詳細は良く分かっていないものの、おそらく反応系中でアレンのエナンチオマー間でのラセミ化の経路が存在し、動的な速度論分割となることで、生成物の一方のエナンチオマーのみが高い収率で得られたものと考えている。この結果は、これまで触媒的不斉反応へと用いられることが少なかったアレンを様々な環化反応へと展開出来る可能性を提示するものであり、有機合成化学上有用なものと考えられる。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Rh(I)-Catalyzed Cyclization of Allenynes with a Carbonyl Group through Unusual Insertion of a C=O Bond into a Rhodacycle Intermediate2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Oonishi, Takayuki Yokoe, Akihito Hosotani, Yoshihiro Sato
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition

      巻: 53 ページ: 1135-1139

    • DOI

      10.1002/anie.201308824

    • 査読あり
  • [学会発表] Rhodium(I)-Catalyzed Enantioselective Hydroacylation of 4-Allenals2013

    • 著者名/発表者名
      Akihito Hosotani, Yohishiro Oonishi, Yoshihiro Sato
    • 学会等名
      OMCOS 17
    • 発表場所
      Colorado State University (USA)
    • 年月日
      2013-07-29
  • [学会発表] Rhodium(I)-Catalyzed Asymmetric Hydroacylation of 4-Allenals2013

    • 著者名/発表者名
      Akihito Hosotani, Yohishiro Oonishi, Yoshihiro Sato
    • 学会等名
      3rd International Symposium on Molecular Activation
    • 発表場所
      Sheraton Steamboat Resort (USA)
    • 年月日
      2013-07-26
  • [学会発表] オキソローダサイクル中間体を経由する新規環化反応の開発2013

    • 著者名/発表者名
      細谷 昭仁、大西 英博、佐藤 美洋
    • 学会等名
      第11回次世代を担う有機化学シンポジウム
    • 発表場所
      日本薬学会長井記念ホール(東京都渋谷区)
    • 年月日
      2013-05-24

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公開日: 2015-06-25  

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