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2012 年度 実績報告書

膜翅目昆虫における社会的強制力とコロニーサイズの関係

研究課題

研究課題/領域番号 11J03715
研究機関琉球大学

研究代表者

下地 博之  琉球大学, 農学部, 特別研究員(PD)

キーワード社会性昆虫 / 社会生物学
研究概要

順位制は順位行動によって形成され,自然界で広く見られる現象である.真社会性昆虫は女王が繁殖を行いワーカーがそれ以外の仕事を行う繁殖分業によって社会を形成している.しかしながら,ワーカーも交尾はできないが単位生殖によって将来オスになる未受精卵を産卵する事ができる.このため,いくつかの種では女王が死んだのち,ワーカー間で順位行動が行われ高順位ワーカーが産卵権を獲得する.順位行動には攻撃相手の卵巣の発達を抑制する事が多くの研究によって示唆されている.これまで,女王存在下コロニーにおけるワーカーの利己性は,ワーカー間の相互監視行動によって抑制されていると考えられている.本研究ではもう一つの繁殖妨害である順位行動に焦点をあて,コロニー内で順位行動がどのように行われているのか,ネットワーク解析によって調べた.その結果,攻撃する側の次数分布はベキ分布になる事が示唆される一方,攻撃を受ける側の次数分布はランダムもしくは一様分布を示す傾向にある事が分かった.このような非対称生は攻撃する側には多くの個体に対して攻撃を行う明らかなハブ個体が存在する一方で,攻撃を受ける方は決まった個体ではなく同じ程度の攻撃を複数個体から受けている事が分かった.また,低順位個体は複数の高順位個体から攻撃されていることが分かり,これがネットワークに冗長性を生じる結果である事が示唆された.現在,この結果を論文としてまとめており投稿の準備が進んでいる.また,攻撃行動を生じさせる要因を詳しく調べるために個体の脳内の生体アミンに着目し,その測定に向けた実験の準備を行っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

データの採取が終わり論文執筆に関しては英文校閲へ出す前の段階でまとめの作業に入っているが投稿まで至っていないため。

今後の研究の推進方策

多くの個体を観察するのは非常に大きな労力を必要とするため、トラッキング技術の開発にも目を向ける必要がある。もし実用化ができればデータ採取が自動化でき、大量のデータを一気に得られる事になると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] トゲオオハリアリにおける順位行動ネットワーク2012

    • 著者名/発表者名
      下地 博之,阿部 真人,増田 直樹,嶋田 正和,辻 和希
    • 学会等名
      第31回日本動物行動学会
    • 発表場所
      奈良女子大学
    • 年月日
      20121123-20121125

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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