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2012 年度 実績報告書

炭素同位体を用いた地殻内マグマシステムにおける二酸化炭素フラクシング機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J03863
研究機関北海道大学

研究代表者

吉村 俊平  北海道大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2011 – 2013-03-31
キーワードマグマ / 流体 / 火成作用
研究概要

地殻内のマグマ供給系では,メルトから析出・分離した流体が熱と溶質を効率よく運び,移動先でマグマの物理化学的性質を変化させることで,火成作用の起こりかたをコントロールしている.特に,巨大噴火を起こすマグマ溜まりでは,噴火前に高温流体が注入され,マグマ溜まりが活性化していると考えられている.本研究課題では,そのような流体輸送のメカニズムを解明することを目指し,二次イオン質量分析計(SIMS)を用いて火山ガラス(斑晶鉱物中のメルト包有物)の揮発性成分の分析に取り組んでいる.本年度は,第四紀の大規模火砕流堆積物(鬼首カルデラ起源)を対象としたガラス包有物の揮発性成分(H2OとCO2)の分析を行うため,SIMS分析のための検量線を作成し,分析方法を確立した.昨年度,すでに標準物質(炭素濃度が既知のガラス)を合成しており,本年度はこれを用いて検量線を確立する予定であったが,炭素濃度の空間不均質が予想以上に大きく,再現性のよい検量線が得られなかった.そこでこのガラスの使用をやめ,代わりに,かつて別の目的で合成したガラス試料(未発表およびYoshimura and Nakamura(2010)のもの)を用いて検量線の確立に再チャレンジしたところ,直線的で再現性のよい検量線を得ることに成功した.また,炭素のバックグラウンドレベルを低下させるため,試料をマウントするエポキシ樹脂の使用をやめ,代わりに低融点合金を使用することにした.また,この新しい標準試料では,Hr20の濃度も定量してあったため,H2O濃度の検量線も確立できた.以上により,火山ガラスのCO2濃度およびH2O濃度の両方をSIMSで定量分析できる環境が整備された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Flux of volcanic CO2 emission estimated from melt inclusions and fluid transport modelling2013

    • 著者名/発表者名
      S. Yoshimura & M. Nakamura
    • 雑誌名

      Earth and Planetary Science Letters

      巻: 361 ページ: 497-503

    • DOI

      10.1016/j.epsl.2012.11.020

    • 査読あり
  • [学会発表] Fractionation of carbon isotopes between granitic melt and CO2-rich fluid2013

    • 著者名/発表者名
      S. Yoshimura, M. Nakamura, H. Yurimoto
    • 学会等名
      Workshop : Cosmochemical Perspective on the Early Evolution of the Early Solar System
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)
    • 年月日
      2013-02-21
  • [学会発表] CO2流体とケイ酸塩メルトの間の炭素同位体分別2012

    • 著者名/発表者名
      吉村俊平
    • 学会等名
      火山性流体討論会2012
    • 発表場所
      水海道あすなろの里(茨城県)
    • 年月日
      2012-11-14
  • [学会発表] Fractionation of carbon isotopes in granitic magma2012

    • 著者名/発表者名
      S. Yoshimura, M. Nakamura, H. Yurimoto
    • 学会等名
      G-GOE final symposium 2012 Tohoku University
    • 発表場所
      戦災復興記念館(宮城県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-09-27
  • [学会発表] 花崗岩質メルトとCO2流体の間の炭素同位体分別2012

    • 著者名/発表者名
      吉村俊平, 中村美千彦, 圦本尚義
    • 学会等名
      日本鉱物科学会2012年年会
    • 発表場所
      京都大学(京都市)
    • 年月日
      2012-09-19
  • [学会発表] ばね加圧装置を用いた流紋岩質ガラスの破断面ヒーリング機構の実験的解明2012

    • 著者名/発表者名
      吉村俊平
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      2012-05-20

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公開日: 2014-07-16  

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