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2011 年度 実績報告書

微生物ゲノム情報に基づいた新規代謝機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J03910
研究機関京都大学

研究代表者

横大路 裕介  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードアーキア / 代謝 / アミノ酸代謝 / glutamic acid / glutamate dehydrogenase / Thermococcus
研究概要

本研究ではゲノム情報を利用して、超好熱性アーキアThermococcus kodakarensisの糖代謝やアミノ酸代謝を中心とした生命機構の解明に努めている。これまでに解糖系におけるglyceraldehyde 3-phosphateと3-phosphoglycerateとの間の3つの変換経路の生理的意義を解明し、Mol.Microbiol.誌に論文を発表した。次にglutamate(Glu)の代謝について、それに関連する可能性のある遺伝子をゲノム情報から見出し、その生理的役割の解明を目指してきた。具体的な成果としては、glutamate dehydrogenase(GDH、glutamate〓 2-oxoglutarate)、2-oxoglutarate:ferredoxin oxidoreductase(OGOR、2-oxoglutarate〓 succinyl-CoA)、succinyl-CoA synthetase(SCS、succinyl-CoA〓 succinate)の3種の酵素遺伝子の破壊株を作製し、形質評価を行った。その結果、異化代謝の観点からは、OGOR・SCS両遺伝子がGluの酸化分解に確かに関わっていることが明らかとなった。また特にGDH破壊株はアミノ酸異化代謝に依存した生育条件では全く生育せず、GDHがGluの異化だけでなく、他のアミノ酸の酸化分解にも必須であることが明らかとなった。またこの結果は、本菌には他のアミノ酸酸化酵素の寄与がほぼないことも示しており、よってGDHは本菌のアミノ酸異化代謝において、aminotransferaseと共役しながら、全ての異化代謝されるアミノ酸からのアンモニアと電子の遊離を行う実質的に唯一の酵素であることが明らかとなった。生合成の観点からは、3遺伝子ともにGluの生合成に必須ではないことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究ではThemococcus kodakarensisのglutamateに関する代謝の解明を目的としている。特にglutamateとsuccinateを結ぶ経路について、glutamateの生合成および異化に対する寄与を検証してきた。その結果、本経路はglutamate生合成には少なくとも必須でないことが明らかとなり、また本経路を担う酵素がglutamateの異化代謝のみならず、他のアミノ酸の異化代謝についても重要であることが初めて証明された。

今後の研究の推進方策

今後の取り組みとしては、glutamateの代謝経路について異化代謝・生合成の両面からさらに検討を進めていく。また今回明らかとなったglutamateや他のアミノ酸異化代謝について、その全容解明に向けて研究を推進する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Biochemical and genetic characterization of the three metabolic routes in Thermococcus kodakarensis linking glyceraldehyde 3-phosphate and 3-phosphoglycerate2011

    • 著者名/発表者名
      Matsubara K, Yokooji Y, Atomi H, Imanaka T
    • 雑誌名

      Molecular Microbiology

      巻: 81巻5号 ページ: 1300-1312

    • DOI

      10.1111/j.1365-2958.2011.07762.x

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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