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2011 年度 実績報告書

官能基転移性人工核酸を用いた天然RNAのラベル化および編集法への展開

研究課題

研究課題/領域番号 11J04012
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

鬼塚 和光  独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 特別研究員(PD)

キーワードRNA / ラベル化 / RNA編集 / ADAR / DNA修復 / NEIL1 / チミジングリコール / プローブ
研究概要

官能基転移性人工核酸のラベル化能を天然RNAへ適用させ、RNAラベル化技術の一般化およびRNAに関する新たな現象の発見を本研究の目的とする。具体的には(1)tRNAの部位特異的ラベル化、(2)mRNAの部位特異的修飾、(3)RNA編集の機構解明を目標に研究を行う。
1年目である本年度では、(1)、(2)に関しては官能基転移性人工核酸の準備を行った。合成したものの一部は共同研究者(九州大学薬学府佐々木研)により機能評価され、DNA中のO6MeGの特異的検出技術に展開された。現在論文準備中である。
本年度は主に(3)に関して研究を行った。カリフォルニア大学デービス校PeterBeal教授の下でADAR(adenosine deaminase acting on RNA)が引き起こすRNA編集反応に関連する研究を行った。一つ目の研究として、2'-Fチミジングリコール(FTg)を含むDNAプローブを化学合成し、DNA修復酵素であるNEIL1との相互作用を生化学的手法により調査した。NEIL1のTgに対する塩基除去修復能はRNA編集により調節されており、編集型のNEIL1はその塩基除去能が1/30になる。本研究では化学修飾により塩基除去に耐性をもつDNAプローブを使うことにより、NEIL1とTgを含むDNAとの結合親和性を調査した。その結果、編集型のNEIL1、未編集型のNEIL1、どちらに対してもほぼ同程度の結合親和性が観測された。このことから、RNA編集によるNEIL1の機能変化は、結合親和性に影響せずに起きていることが明らかとなった。この結果は現在論文準備中である。また合成したDNAプローブは、NEIL1との複合体のX-線構造を得るため共同研究者により結晶化が検討されている。二つ目の研究として、二本鎖RNAとADARとの安定な複合体を得ることを目指し、チオール反応性官能基をもつRNAプローブの合成を行った。現在、合成途中であるが、この研究により二本鎖RNAとADARのX線構造解析に成功すれば、いまだ解明されていないADARのRNAに対する編集反応の選択性に関して大きな知見を与えるであろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

期待した結果ばかりではなかったが、おおむね計画通りに合成、アッセイが進み、論文も近日中に投稿できるため。

今後の研究の推進方策

目的(3)RNA編集の機構解明に関しては当初の計画通り、2年目の中頃までに完了させる。
その後、目的(1)、(2)の官能基転移性人工核酸を用いた研究に集中し、2年目末までに技術の一般化を目指す。
3年目は2年目に築いた基礎を用いて幅広く応用できるか、RNAに関する新たな知見を得られるかどうかがポイントとなる。基本的に当初の計画通り研究を実行していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The oligodeoxynucleotide probes for the site-specific modification of RNA2011

    • 著者名/発表者名
      Shigeki Sasaki, Kazumitsu Onizuka, Yosuke Taniguchi
    • 雑誌名

      Chemical Society Reviews

      巻: 40 ページ: 5698-5706

    • DOI

      10.1039/C1CS15066A

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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