今年度前半の主な活動は、ガルシア=マルケスを育んだコロンビア共和国での調査である。世界的にも長らく見過ごされていたバランキーリャ・グループについては、日本国内にはほとんど情報がない。研究計画作成当初は、コロンビアは渡航が危険とされていたことや、どのような情報があるのかも知られていなかったため、今回の渡航調査は計画外のものである。しかし、ガルシア=マルケス研究やカリブ海沿岸地域文学の研究を進めるにあたっては必須かつ有意義なものであった。 *ガルシア=マルケスの生地/アラカタカ ガブリエル・ガルシア=マルケスの弟であるハイメ・ガルシア=マルケスの案内によってアラカタカのガルシア=マルケス博物館や資料館となっている電信技師の家、公民館、図書館において『百年の孤独』の舞台となっている村の当時の様子を見聞した。 *カリブ海沿岸地方/バランキーリャ カリブ海沿岸地域の文化そしてガルシア=マルケスの専門家アリエル・カスティーリョ博士から論文や雑誌記事の提供を受け、今後の研究に際して助言を得られることとなった。バランキーリャを代表する小説家、ラモン・バッカからもバランキーリャにおける文学活動について情報を得た。 ホセ・フェリクス・フエンマジョールやアルバロ・セペダ=サムディオの著作とガルシア=マルケスの比較研究をするという課題をみつけた。 *カリブ海沿岸地方/カルタヘナ FNPI(国際ヌエボ・ペリオディスモ基金)においてガルシア=マルケスの新聞記者時代に関する資料を入手した。 *首都/ボゴタ 国際ブックフェアや古本屋において、日本もふくめ諸外国では手に入りにくい資料を多く入手した。
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