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2013 年度 実績報告書

MORBはどこでどのように形成されるのか?:オマーンオフィオライトからの貢献

研究課題

研究課題/領域番号 11J04217
研究機関金沢大学

研究代表者

秋澤 紀克  金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードMORB(中央海嶺玄武岩) / 調和的なダナイト / ハルツバーガイト / 北部オマーンオフィオライト / 1-D steady state modeling / セグメント構造
研究概要

セグメント構造を反映したメルト上昇過程の違い
かつての海洋リソスフェアが陸上にのし上げているオマーンオフィオライトの様々な場所で露頭観察・サンプリングを行った結果、海嶺下でメルトの抜けるチャネルであったと考えられる調和的なダナイトの太さ・出現頻度がセグメント中心で多いことが分かった。また、数多くのサンプルを処理することで、セグメント構造を反映した系統的な鉱物化学組成の違いも明らかになった。
メルトとかんらん岩がどのように相互反応をしたのか明らかにするため、鉱物化学組成を用いてモデリングをおこなった。東京大学の小澤一仁教授に協力して頂き、1-D steady state modelingを行うことで、メルト上昇中にメルト/かんらん岩相互反応の程度はセグメント中心でより高く、Light rare earth element (LREE)の濃度が高いメルトの関与の期間が長かったことが示唆された。
以上のことは、海洋底で実際に観察されている、セグメント中心で地温勾配が高いことに寄与していると結論づけた。また、LREEの含有量の高いMORBの出現が、マントル中で行われていることを示唆した。オフィオライトは、その形成から、のし上げまでに様々なマグマ活動・変質を受けていることが考えられるため、形成場が明らかである実際の海洋底と比較することが必要不可欠である。本研究において、その比較を行い、オフィオライトと海洋底の岩石を関連づけたことで、地球内部の進化過程をより自然に近い形で再現したと言える。また、中央海嶺下でメルトチャネルを定常的に維持するために、マントル上昇に伴い細いチャネルが消滅していく現象をとらえた。本研究により、中央海嶺下でのメルト上昇過程がより3次元的に再現されたといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究は既に達成され、現在、その成果を国際誌に発表する準備もほぼ出来ている。また、多くの学会発表で多くの研究者と議論をとおして、その重要性は明らかに感じ取れる。以上は、研究計画より研究が進展したことによるといえる。

今後の研究の推進方策

多くのデータ処理を行っているので、論文化に際し間違いがないかの確認作業が長引いているが、早急に、確実に、終了させ、知的財産蓄積に寄与したい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Precipitation and dissolution of chromite by hydrothermal solutions in the Oman ophiolite : New behavior of Cr and chromite.2014

    • 著者名/発表者名
      Arai, S. and Akizawa, N.
    • 雑誌名

      American Mineralogist

      巻: 99 ページ: 28-34

    • DOI

      10.2138/am2014.4473

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Primitive layered gabbros from fast-spreading lower oceanic crust.2013

    • 著者名/発表者名
      Gillis, K. M., Snow, J. E., Klaus, A., Akizawa, N, 他26名
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 505 ページ: 204-207

    • DOI

      10.1038/nature12778

    • 査読あり
  • [学会発表] Diversity of melts migration process within the uppermost mantle along a mid-ocean ridge : an example from the northern Oman ophiolite.2013

    • 著者名/発表者名
      Norikatsu Akizawa
    • 学会等名
      Goldschmidt
    • 発表場所
      Firenze Fiera Congress and Exhibition Centre, Florence, ITALY
    • 年月日
      2013-08-27
  • [学会発表] Diversity of MORB genesis within the uppermost mantle : an example from the northern Oman ophiolite.2013

    • 著者名/発表者名
      Norikatsu Akizawa
    • 学会等名
      Asia Oceania Geosciences Society
    • 発表場所
      Brisbane Convention and Exhibition Centre, Brisbane, AUSTRALIA
    • 年月日
      2013-06-28
  • [学会発表] Diversity of MORB genesis within the uppermost mantle from the segment center to end : an example from the northern Oman ophiolite.2013

    • 著者名/発表者名
      Norikatsu Akizawa
    • 学会等名
      European Geoscience Union
    • 発表場所
      Austria Center Vienna, Vienna, AUSTRIA
    • 年月日
      2013-04-11

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公開日: 2015-07-15  

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