| 研究課題/領域番号 |
11J04442
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
江草 大佑 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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| キーワード | Mg合金 / LPSO相 / 電子顕微鏡 |
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| 研究概要 |
MgにZnおよび希土類元素(RE)をそれぞれ微量添加したMg-Zn-RE合金は非常に優れた力学的特性から注目されている。この特性にはMg-Zn-RE合金の特徴、合金内に長周期積層規則構造(LPSO:long-period stacking/order)相という特徴的な構造を有する相が形成されること、変形時にLPSO相がキンク変形と呼ばれる特異な変形機構を取ること、の2点が寄与していると考えられている。今年度は、Mg-Zn-RE合金において形成されるLPSO相の結晶構造について電子顕微鏡を用いて調査を行った。電子回折法を用いて規則構造を調査したところ、LPSO構造内で添加元素は、従来報告されたc-軸方向に加えて、濃化している原子面内においても規則配置をとっていることが示唆された。そこで電子顕微鏡を用いた直接観察を行ったところ、規則構造は添加元素によるL12型クラスター構造によって形成されていることが明らかとなった。観察結果からL12型クラスターを基本とする構造モデルを構築し、シミュレーションを用いて実験結果と比較したところ良い一致を示した。また合金組成によるLPSO相の構造の変化について、実験及び第一原理計算を用いて調査したところ、LPSO相は添加元素量に応じて組成が変化する組成幅を持った相であり、L12型クラスターの局所的な構造は合金系によって変化していることが示唆された。一部の合金系ではL12型クラスターで顕著な緩和挙動が確認され、LPSO相の形成過程に影響を及ぼしていると考えられる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度の目的であった、合金内に形成されるLPSO相の構造解析については構造モデルを確立する段階まで達成され、結果については論文として投稿されている。さらに次年度以降の課題となるキンク変形機構に関する調査に関しても、すでにTEMを用いた組織段階の調査に進んでおり、一部の結果について学会等で報告を行っている。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後はキンク変形機構に関する調査を行うために、前年度に実施した組織レベルでの変形挙動に関する調査を引き続き実施するとともに、原子レベルでの局所的な構造変化についても観察を行うことで、LPSO相に形成される規則構造とキンク変形機構との関連性について調査を行う。
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