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2013 年度 実績報告書

Mg-Zn-RE系合金における長周期規則構造相の構造解析および強度発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J04442
研究機関東京大学

研究代表者

江草 大佑  東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードMg合金 / LPSO相 / 電子顕微鏡
研究概要

MgにZnおよび希土類元素(RE)をそれぞれ微量添加したMg-Zn-RE合金は非常に優れた力学的特性から注目されている, この特性にはMg-Zn-RE合金の2つの特徴、合金内に長周期積層規則構造(LPSO : long-periodstacking/order)相という特徴的な構造を有する相が形成されること、変形時にLPSO相がキンク変形と呼ばれる特異な変形機構を取ること、が寄与していると考えられている. 今年度は、キンク変形帯近傍に存在する特徴的な欠陥の原子構造、また欠陥近傍の添加元素分布に関して電子顕微鏡法を用いて調査を行った. 前年度までの調査から、キンク帯近傍にはhcp構造のいわゆるa・c方向への変位を含む2種類の欠陥が配列していることが確認されている, 2種類の欠陥について原子構造を調査したところ、それぞれ欠陥1つ辺りの総変位量(バーガースベクトル)はhcp構造の完全a転位・(a+c)転位に対応していることが明らかとなった. また転位芯部分で2つの完全転位は、対応する部分転位に分解しており(Shockleypartial・Frankpartial)、転位の拡張に伴って芯近傍では元の構造と比較して添加元素が散逸した領域が形成されている様子が確認された, この領域では、転位の拡張に伴ってLPSO相の積層が局所的に変化することにより、添加元素の安定位置が変化し、拡散によって添加元素分布が変化したのだと考えられる. 同様な現象は合金中でLPSO相近傍に存在するα-Mg相についても確認された. この添加元素の拡散を伴う特徴的な欠陥構造は、変形を比較的高温(623K)で行っているために形成されたと考えている. また、こうした欠陥がキンク帯近傍に配列することによって、一度形成されたキンク界面はさらなる塑性変形に対して強い抵抗として働くことが想定されるため、本合金の優れた力学特性が発現しているのではないかと考えられる.

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 長周期規則構造相を有するMg合金の変形組織2013

    • 著者名/発表者名
      江草大佑、阿部英司
    • 学会等名
      軽金属学会秋季講演大会
    • 発表場所
      横浜国立大学, 神奈川県
    • 年月日
      2013-11-09
  • [学会発表] LPSO・Mg合金における特異な変形組織の観察2013

    • 著者名/発表者名
      江草大佑、阿部英司
    • 学会等名
      シンクロ型LPSO構造の材料科学 中間報告会
    • 発表場所
      ラフォーレ琵琶湖, 滋賀県
    • 年月日
      2013-09-30
  • [学会発表] LPSO/Mg合金におけるキンク変形帯の微細構造2013

    • 著者名/発表者名
      江草大佑、阿部英司
    • 学会等名
      金属学会秋季講演大会
    • 発表場所
      金沢大学, 石川県
    • 年月日
      2013-09-18
  • [学会発表] STEM investigations of synchronized LPSO structures in Mg-Zn-Y alloys2013

    • 著者名/発表者名
      D. Egusa and E. Abe
    • 学会等名
      TMS Mg workshop Madrid 2013
    • 発表場所
      マドリード、スペイン
    • 年月日
      2013-05-12
  • [学会発表] (LPSO+α)2相Mg合金に形成されるキンク変形組織の特徴2013

    • 著者名/発表者名
      江草大佑、阿部英司
    • 学会等名
      金属学会春季講演大会
    • 発表場所
      東京工業大学, 東京都
    • 年月日
      2013-03-22

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公開日: 2015-07-15  

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