研究課題/領域番号 |
11J04501
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鐘 苗 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | ナノワイヤアレイ膜 / コア-シェル型ナノワイヤ / 光触媒・光半導体電極 / 光電気化学電池 |
研究概要 |
本課題は高性能な光電気化学電池の光触媒・光半導体電極材料を目指した、導電性酸窒化物一次元ナノ構造体の構築形成手法の研究である。規則正しい形状からなる半導体導電性酸窒化物のナノ構造体は、表面積(=反応面積)を広くすることができる。また、光を照射したときに光励起キャリアの分離を促進する。そのため、光電気化学電池における迅速な反応を促進できると考えられる。デバイス応用のみならず光触媒・光半導体電極材料としての応用も期待できる。平成23年度4月から今までに、(1)垂直配向性ZnOナノワイヤアレイ膜の製作(2)垂直配向性ZnO-ZnGa2O4コア-シェル型ナノワイヤアレイ膜の製作(3)ZnO-ZnGa2O4コア-シェルナノワイヤアレイ膜の光電気化学特性の評価を行った。 (1)垂直配向性ZnOナノワイヤアレイ膜の製作 ZnO粉末を用いたCVD法によるZnOナノワイヤアレイ膜を試作した。走査型電子顕微鏡(SEM)によって径・長さのそろったZnOのナノワイヤアレイ膜が得られていることを確認した。ZnO薄膜上に形成されたZnOナノワイヤアレイの結晶特性をX線回折法(XRD)によって調べた。まず、θ-2θ法の結果から薄膜上に形成されたナノワイヤの成長方向を特定することができた。続いて、極図形の分析結果から、作成したナノワイヤが単結晶からなるということが分かった。 (2)垂直配向性ZnO-ZnGa2O4コア-シェル型ナノワイヤアレイ膜の製作 ZnOとGa2O3混合粉末を用いたCVD法によるZnO-ZnGa2O4コア-シェル型ナノワイヤアレイ膜を試作した。走査型電子顕微鏡(SEM)、X線回折法(XRD)によって単結晶性ZnO-ZnGa2O4コア-シェルナノワイヤアレイ膜が得られていることを確認した。 (3)ZnO-ZnGa2O4コアーシェルナノワイヤアレイ膜の光電気化学特性の評価 電極系を用いて、水に融解しないZnO-ZnGa2O4コア-シェルナノワイヤアレイ膜の光電気化学測定を行った。参照極
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光電気化学電池の光触媒・光半導体電極材料は,垂直配向性ZnOナノワイヤアレイ膜とZnO-ZnGa2O4コア-シェル型ナノワイヤアレイ膜を得られていることを確認した。試作した(コア-シェル型)ナノワイヤアレイ膜の物理と化学の特性を分析しました。また、コア-シェル型ナノワイヤアレイ膜の光電気化学特性は、大きな光電流を示した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ZnO-ZnGa2O4コア-シェルナノワイヤアレイ膜を利用し、アンモニア等を用いることで、水に融解しないZnO-ZnGaONコア-シェルナノワイヤアレイ膜の形成条件を探索する。本研究をさらに発展させていくことにより、非常に安価にかつ大面積でナノワイヤ電極が得られる事から、太陽光を利用技術としては大きなアドバンテージがあると考えられる。
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