研究課題/領域番号 |
11J04506
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳下 楠 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 個体発光観察法 / 学習・記憶 / Arc / 最初期遺伝子 |
研究概要 |
本研究では、記憶・学習といった、高次情報処理課題遂行時の神経活動依存的な遺伝子発現の可視化を目指すものである。その目的遂行のために、神経活動依存的に転写調節される、最初期遺伝子の一つであるArc遺伝子のプロモーター領域を利用し、発光を呈する酵素であるルシフェラーゼを付加したトランスジェニックマウスを作成し、発光観察系の開発と高次情報処理課題の設定を行うものである。 本研究を遂行するにあたり、課題遂行時の発光を観察できるような高感度発光観察系の確立が必須であった。使用するカメラや顕微鏡の選択、及び安定的な発光シグナルの検出を可能にするための基質ルシフェリンの投与方法と画像の解析方法の検討の結果、今までに例のなかった、十数時間オーダーでの持続発光観察に成功している。また、課題遂行時に近い、生理的な情報入力における神経活動依存的な遺伝子発現の検出として、視覚刺激に対する視覚野での応答を検出することに成功した。 また、本研究で用いる高次情報処理課題のモデルとして、匂い-報酬連合学習課題を設定し、野生型マウスを用いて、匂いや報酬の種類および提示時間、成績評価基準等の条件を確立し、複数個体において強固な学習の成立を確認した。また、トランスジェニックマウスにおいても同様の課題を行わせ、野生型マウスの結果との比較から同様に学習が成立することを確認した。 さらに、外的に神経活動や遺伝子発現を時空間的に制御するため、脳内への薬剤およびウイルスのインジェクションを検討しており、脳内投与の手技の習得に向けた予備実験を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実施計画」に基づいた研究計画は全て順調に進行しており、高感度発光観察系の確立とトランスジェニックマウスでの連合学習課題の成立を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策については、確立された高感度発光観察系を用いて、連合学習課題遂行における様々なタイムポイントでの長時間発光観察を行っていく所存である。
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