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2013 年度 実績報告書

ネオ・リベラリズム時代におけるリベラルな国家の移民・難民政策:ドイツの事例

研究課題

研究課題/領域番号 11J04689
研究機関一橋大学

研究代表者

昔農 英明  一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード移民統合 / 普遍主義 / EUの移民政策 / 難民・非正規移民
研究概要

平成25年度は、平成23年度および平成24年度に引き続き、第1にドイツの連邦政府および地方自治体における移民・難民政策の政策方針を、EUの移民政策と関係づけながら検討を行った。第2に、そうした移民政策が移民・難民の権利保護状況にどのような影響を与えているのかを、教会系福祉団体、難民NGO団体の関係者などに聞き取り調査を実施した結果を踏まえて分析を行った。こうした分析により、自由や民主主義の普遍的な価値を重要視する移民統合政策がもたらす両義的な側面を以下の点から明らかにしてきた。
第1にドイツ政府は、移民の自由と民主主義の順守、自己統治の実践を条件として、ドイツ社会への移民の統合を進める方針を打ち出すようになった。しかしながら、連邦政府、とりわけ国内治安を担当する連邦内務省や連邦憲法擁護庁・各州擁護局、ならびに各州の外国人局の移民・難民の管理・取り締まりの論理が、統合の対象となるはずの移民・難民の排除をもたらす問題点を明らかにした。
第2に、平成24年度まではドイツにおける連邦レベル、あるいはローカルレベルの移民政策とその保護実態を検討してきたが、平成25年度は、欧州連合(EU)レベルの移民・難民政策の制度概要と制度構築の背景を詳細に分析した。EUにおける移民政策の進展によって、国民国家の移民・難民政策がどのように機能変容しているのかを明らかにした。またその政策が移民・難民保護にどのような影響を与えているのかを明らかにした。
上記のような、平成25年度の研究結果をまとめた論文を査読付きの学会誌に投稿し、掲載が決定されたほか、日本学術振興会の科学研究基盤費(研究成果公開促進費)による学術図書出版補助を得て、単著者を出版することが決定するなどの成果をあげた。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] セキュリティ対策としての移民統合―2000年代におけるドイツの事例2014

    • 著者名/発表者名
      昔農英明
    • 雑誌名

      社会学評論

      巻: 65(近刊)(掲載確定)

    • 査読あり
  • [図書] 「移民国家ドイツ」の難民庇護政策2014

    • 著者名/発表者名
      昔農英明
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会

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公開日: 2015-07-15  

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