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2012 年度 実績報告書

抗ガン治療の基礎研究:樹状細胞によるNK細胞活性化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J04706
研究機関北海道大学

研究代表者

笠松 純  北海道大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード樹状細胞 / NK細胞 / INAM / TICAM-1 / IPS-1 / I型インターフェロン
研究概要

NK細胞は抗腫瘍効果を担う免疫細胞である.ウイルスゲノムを模したpoly I:CはNK細胞を主体とする強い抗腫瘍効果を誘導する.この時,樹状細胞(DC)とNK細胞の細胞接着依存的な機構が必須である。本研究は樹状細胞のpoly I:C受容体からのシグナル伝達に必須なアダプター分子であるTICAM-1およびIPS-1に着目し,poly I:Cの認識からNK細胞の活性化へと至る分子基盤の全貌を明らかにすることを目的とする.加えて,前著を背景として同定されたNK活性化因子の1つであるINAMの生理的意義を明らかにする目的でその欠損マウスの解析をおこなう.
《今年度の実施計画と進捗状況》
●INAM欠損マウスの解析
前年度,INAM欠損マウスの作成をおこなった.本年度はINAM欠損マウスを用い,生体内におけるNK細胞活性化能を評価した.その結果,INAM欠損マウスでは野生型マウスに比べ,部分的にサイトカイン産生および細胞傷害活性の低下が認められた.加えて,INAM欠損マウスおよび野生型マウス由来のNK細胞と脾臓DCの共培養実験から,NK細胞とDCで発現するINAMがサイトカイン産生に重要な役割を担うことを明らかにした.
●抗INAM抗体を用いた結合分子の探索と該当分子の質量分析解析
●抗INAM抗体を用いた免疫シナプス形成機構の解析
上記の研究を遂行するため,INAM欠損マウスにINAM過剰発現B16D8細胞を免疫して,モノクローナル抗体の樹立を企画している.
●NK活性化因子候補のスクリーニングおよびそれらの機能解析
前年度,骨髄由来DCを用いたTICAM-1,IPS-1およびI型インターフェロン誘導性遺伝子群をカタログ化した.その結果,(1)新規ペア型レセプター群,および(2)CD8a陽性DCのみに発現が認められるレセプターを同定した.現在,これらの機能解析を遂行している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時に提出した年次計画通りに研究を遂行し,その成果を得ている.

今後の研究の推進方策

INAM欠損マウスの解析では,各種病態モデルを検索し,INAMの生理的意義を検討する.さらに,INAMを介したNK細胞の活性化機構を細胞・分子レベルで詳細に検討する.また,現在までにINAM以外のNK活性化因子候補のスクリーニングが終了している.これら候補遺伝子の機能解析も順次進める予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Evolution of innate and adaptive immune systems in jawless vertebrates.2013

    • 著者名/発表者名
      Kasamatsu J
    • 雑誌名

      Microbiol Immunol

      巻: 57(1) ページ: 1-12

    • DOI

      10.1111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Agnathan VIP, PACAP and Their Receptors : Ancestral Origins of Today's Highly Diversified Forms.2012

    • 著者名/発表者名
      Ng SY, Chow BK, Kasamatsu J, et al.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 7(9) ページ: e44691

    • DOI

      10.1371

    • 査読あり
  • [学会発表] IRF-3-induced NK-activating molecule (INAM) is required for NK activation in vivo.2012

    • 著者名/発表者名
      Kasamatsu J, et al.
    • 学会等名
      12th Annual IEIIS Meeting
    • 発表場所
      学術総合センター・一橋記念講堂(東京)
    • 年月日
      2012-10-24
  • [学会発表] マウスペア型Tremの同定と発現解析2012

    • 著者名/発表者名
      笠松 純
    • 学会等名
      日本生体防御学会
    • 発表場所
      品川区総合区民会館"きゅりあん"(東京)
    • 年月日
      2012-07-08
  • [備考] 北海道大学医学研究科免疫学分野

    • URL

      http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~e20536/

  • [備考] 個人サイト

    • URL

      http://junkasamatsu.jimdo.com/

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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