研究課題/領域番号 |
11J04927
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高岸 治人 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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キーワード | 利他性 / 自閉症スペクトラム障害 / 社会的意思決定 / 眼球運動 / 利他性の見極め / 未就学児 / 不公平回避 / 誤信念課題 |
研究概要 |
本プロジェクトの目的は、心の理論と呼ばれる他者の心的状態を推測する認知能力と社会行動(利他性)の関連を検討することにある。まず申請者は、心の理論の発達に問題があると考えられている自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ成人20名と定型発達の成人20名を対象に利他性に関する指標を測定した。また、他者の利得に関心があるかどうかを確かめるため、Tobiiを用いて意思決定の際の眼球運動を測定した。その結果、ASDを持つ成人参加者は、定型発達の成人参加者よりも他者に対する利他性が低い傾向があることが明らかになった。この結果は、心の理論が利他性に与える影響を間接的に示唆するものである。眼球運動のデータに関しては現在解析中である。 続いて申請者は、約70名の未就学児(4歳~6歳)を対象に、他者の利他性に関する見極め実験を行った。課題は品田ら(2010,心理学研究)で用いた課題と同様の課題を用いた。未就学児は動画に登場した人物2名の利他性(どちらがお菓子をたくさんくれそうか?)を評定した。また同時に、独裁者ゲーム、心の理論課題(誤信念課題)も実施した。実験の結果、未就学児でも他者の利他性に関する見極めができることが明らかになったが、独裁者ゲームで測定した参加者自身の利他性や心の理論課題との関連は見られなかった。この結果は、心の理論の発達と他者の利他性を見極める能力との間には関連は見られないことを示している.今後は、どのような要因が利他性の見極め能力と関係するのかを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた研究プロジェクトの多くを実施したが、子どもの利他性と脳形態に関する研究は、子どものリクルートが難しく進んでいないのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
子どものリクルート方法を変更して実験協力者を募集する。
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