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2011 年度 実績報告書

コミュニケーションの政治経済学的アプローチによる中国メディアの研究

研究課題

研究課題/領域番号 11J05710
研究機関早稲田大学

研究代表者

工藤 文  早稲田大学, 政治学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード中国 / メディア / コミュニケーション / 内容分析 / 新聞 / 批判報道
研究概要

本研究の目的は、コミュニケーションの政治経済学的アプローチの枠組みを用いて、改革開放以降の中国メディアと政治・経済の関係を明らかにすることである。2011年度は、中国のメディアの現状を明らかにすることと資料収集を目的に研究を行った。研究成果は以下の二つにまとめられる。
第一に、新聞の内容分析を行い中国メディアの現状を明らかにした。内容分析は新聞の批判報道を対象に行った。中国のメディアは政治的に統制を受けながら市場経済体制の下で利益を追求しなければならない。このような状況で従来禁止されてきた政治権力を批判する報道がどの程度許容されているかを明らかにすることで、政治権力とメディアの関係を考察することを試みた。内容分析によって、(1)共産党や政府などの政治権力に対する批判報道の内容、(2)批判報道の限界の二点を明らかにした。批判報道は政治権力の対象とレベルによって批判の程度と内容が異なる。共産党中央に対する批判報道は従来の政治統制の枠組みの中で行われており、政治とメディアの関係に根本的な変化はないと結論付けた。しかし、特定の新聞では新しい関係がみられることを発見した。この成果は、2011年11月12日に日本マス・コミュニケーション学会秋季大会で報告した。
第二に、資料収集において成果があった。マス・コミュニケーションの政治経済学と中国メディアに関する学術書や論文を集めた。さらに中国に渡航し上海図書館を中心に資料の収集を行った。メディアに関する法律法規などの貴重な資料や、メディアの報道や経営制度の資料を入手した。これらの資料によって、次年度以降の研究のさらなる発展が期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2011年度の目的は研究課題の基礎的な部分についての研究を行うことである。内容分析によって中国メディアの現状を明らかにし、本年度の目的を達成した。特に資料収集の面で進展があった。コミュニケーションの政治経済学に関する最新の学術書と論文を集めるとともに、中国に渡航し法律や法規などの貴重な資料を集めた。

今後の研究の推進方策

本年度の研究は研究課題全体の基礎になる研究であり、研究成果をもとに今後の研究を進めていく。次年度以降はマス・コミュニケーションの政治経済学から中国メディアを分析している先行研究をまとめる。同時に事例研究を行い、研究課題を実行していく。本年度は資料収集の面でとりわけ進展があり多くの資料が入手できたため、本年度に集めた資料をもとに次年度以降の研究を進める。学会報告とともに論文執筆を行い、研究成果をまとめる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] 中国における批判報道の特性-新聞の内容分析を通して-2011

    • 著者名/発表者名
      工藤文
    • 学会等名
      日本マス・コミュニケーション学会
    • 発表場所
      東海大学湘南キャンパス
    • 年月日
      2011-11-12
  • [備考] 日本マス・コミュニケーション学会「学会発表論文集」

    • URL

      http://mass-ronbun.seesaa.net/

  • [備考]

    • URL

      http://mass-ronbun.up.seesaa.net/image/2011E7A78BE3839EE382B9E382B3E3839FE5ADA6E4BC9AE7A094E7A9B6E799BAE8A1A8E8AB96E69687EFBC88E5B7A5E897A4E69687EFBC89E5B7ABE69BBFE38188.pdf

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公開日: 2013-06-26  

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