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2013 年度 実績報告書

放射線治療における経時的線量最適化治療技術に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11J05720
研究機関東京大学

研究代表者

木田 智士  東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC1)

キーワードkV CBCT / 散乱補正 / 画質改善 / 逐次近似再構成 / IGRT
研究概要

kV CBCTは, 画像誘導放射線治療(IGRT : image guided radiation therapy)において欠かせないツールである一方, 計画に用いられるFan-Beam CTに比べ画質が劣化しているため, 線量計算に用いるのは困難であることが知られている. kV CBCTにおいて画質が劣化する原因の一つは, 一度に大容積が撮影されるため, kV投影画像に被写体からの散乱成分が多く含まれるためである. この散乱線の影響は, 再構成画像において, アーチファクトや画素値の不確かさを生む原因となり, 線量計算において誤差を生じる. 近年さかんに研究, 開発が進められている適応型放射線治療(ART : adaptive radiotherapy)は, 治療毎に撮影されるkV CBCTを用いて, 治療毎に変化する患者さんの臓器の移動や変形の情報を考慮した高精度な線量評価を行い, 治療計画を経時的に最適化する治療法である. 本研究では、ARTにおける更なる高精度な線量評価に向けて、kV CBCTの画質改善に取り組んだ。近年, kV CBCTの画質改善のために行われている取り組みは大きく分けて2つ挙げられる. 一つは, 散乱補正であり, もう一つは, 逐次近似再構成法の利用である. 本研究では両者を組み合わせた散乱補正アルゴリズムを構築した. 正確な散乱分布の見積もりが可能なMonte Carloシミュレーションは, 計算コストの増大が懸念される. そこで, 本研究では, 散乱補正においては, 鉛コリメータを用いた散乱成分の実測と, Klein-Nishinaの散乱公式に基づく解析的な散乱シミュレーションを相補的に組み合わせることにより, 計算コストを抑え, 簡便かつ正確に二次元検出器(FPD : Flat panel detector)上での散乱分布を取得する方法を提案した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

鉛コリメータを用いた散乱成分の実測と, Klein-Nishinaの散乱公式に基づく解析的な散乱シミュレーションを相補的に組み合わせることによる, 逐次最適化散乱補正アルゴリズムを構築し, 線量計算への利用可能性が示唆されるkVCBCT画像の画質改善に成功した.

今後の研究の推進方策

本研究では、方法論の構築とファントムによる定量解析に留まったが、今後、患者のkV CBCTに対して応用する予定である。この技術により, 患者の日々の臓器変化も考慮したkV CBCTを用いた線量評価と, それに基づくARTの発展に寄与することが期待される.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Improvement of 4D CBCT image quality via iterative reconstruction2013

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Kida, Yoshitaka Masutani, Masahiro Nakano, Keiichi N akagawa, Akihiro Haga
    • 学会等名
      European society for radiotherapy and oncology
    • 発表場所
      ジュネーブ(スイス)
    • 年月日
      2013-04-22
  • [学会発表] In-treatment 4D cone-beam CT with image-based respiratory phase reco gnition2013

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Kida, Masutani Y, Yamashita H, Imae T, Matsuura T, Saotome N, Ohtomo K, Nakagawa K, Haga A.
    • 学会等名
      第105回 日本医学物理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2013-04-14
  • [学会発表] 放射線治療におけるCone-beam CTの画質改善2013

    • 著者名/発表者名
      木田 智士, 早乙女 直也, 中野 正寛, 芳賀 昭弘, 増谷 佳孝, 今江 禄一, 作美 明, 山下 英臣, 中川 恵一
    • 学会等名
      第105回 日本医学物理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2013-04-11

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公開日: 2015-07-15  

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