• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

自己集合を利用した酵素検出用19F-NMR/MRIオフオン型プローブの開発

研究課題

研究課題/領域番号 11J05792
研究機関京都大学

研究代表者

松尾 和哉  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード自己会合 / 19F-MRI / 酵素活性
研究概要

生体内には観測可能なフッ素核が存在しないことから、高いS/N比でイメージングすることが期待できる19F(フッ素)-MRIが近年注目されている。しかし、イメージングのためのシグナルスイッチング機構がほとんど存在せず、汎用性の高いシグナルスイッチング機構が求められる。
自己会合を利用したタンパク質検出用19F-MRIオフオンプローブの先行研究を基に、会合型プローブを酵素系へと展開することで、「自己会合によるシグナルスイッチング機構」の一般性を拡張し、酵素活性の19F-MRイメージングを行った。具体的には、癌をイメージングするため、MMP-2(matrix metalloproteinase)を標的酵素とした。MMP-2は癌の悪性化に関与する分泌型酵素であり、MMP-2イメージングは癌イメージングにつながることが期待される。MMP-2の基質ペプチドは親水性が高く、フッ素部位を導入するだけでは自己会合を誘起するのは難しいことが考えられたため、自己会合を補助する部位を導入し、自己会合させることとした。
種々検討した結果、開発したプローブは水中においてナノ~マイクロメートルサイズの自己会合体を形成し、19Fシグナルを示さないが、そこに精製MMP-2を添加すると、酵素反応が進行し、19Fシグナルが回復することが明らかとなった。また、このシグナル回復はMMP-2阻害剤を添加すると完全に抑えられたことから、MMP-2の酵素活性に依存したシグナル回復であることが示された。最適化したプローブを用いて、実際にヒト由来癌細胞から分泌される微量のMMP-2の19F-MRイメージングにも成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

自己会合型19F-MRIプローブを開発し、培養細胞から分泌されるごく微量の酵素の活性を19F-MRイメージングすることに成功したことから、当初予定していた精製酵素系での検討以上に進展している。

今後の研究の推進方策

開発したプローブを基に、担癌マウスを用いたin vivo 19FMR Imagingを行うとともに、より一般性を拡張するため、非切断型酵素や細胞内などの他の酵素系に関して19Fプローブの開発を試みる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Systematic Study of Protein Detection Mechanism of Self-assembling 19F NMR/MRI Nanoprobes toward Rational Design and Improved Sensitivity2011

    • 著者名/発表者名
      Yousuke Takaoka, Keishi Kiminami, Keigo Mizusawa, Kazuya Matsuo, Michiko Narazaki, Tetsuya Matsuda, Itaru Hamachi
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 133 ページ: 11725-11731

    • DOI

      10.1021/ja203996c

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生細胞でのタンパク質選択的なケミカルラベリングの新手法2011

    • 著者名/発表者名
      松尾和哉、浜地格
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 83 ページ: 920-929

  • [学会発表] 自己会合型プローブ(1):19F MRIプローブのタンパク質応答機構と高感度化2012

    • 著者名/発表者名
      松尾和哉、高岡洋輔、木南啓司、水澤圭吾、楢崎美智子、松田哲也、浜地格`
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2012-03-26
  • [学会発表] ナノ会合体の安定性が19F MRIプローブのオフオン応答を制御する2011

    • 著者名/発表者名
      松尾和哉、高岡洋輔、木南啓司、水澤圭吾、楢崎美智子、松田哲也、浜地格
    • 学会等名
      第14回生命化学研究会
    • 発表場所
      ラフォーレ南紀白浜(和歌山県)
    • 年月日
      2011-12-02
  • [学会発表] 自己会合型19F-NMR/MRIオフオンプローブによる酵素イメージング2011

    • 著者名/発表者名
      松尾和哉、高岡洋輔、水澤圭吾、楢崎美智子、松田哲也、浜地格
    • 学会等名
      第5回バイオ関連化学シンポジウム
    • 発表場所
      つくば国際会議場(茨城県)
    • 年月日
      2011-09-13

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi