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2011 年度 実績報告書

キラルビナフトラート典型金属塩触媒を用いる直截的不斉触媒反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11J05898
研究機関名古屋大学

研究代表者

堀部 貴大  名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード典型金属 / ビナフトール / 塩触媒 / 直截的反応 / マグネシウム / リチウム / 酸塩基複合
研究概要

本研究目的は、新たなキラル典型金属ビナフトラート塩の創製を行い、既存の触媒で達成困難な反応の開発を行うことである。これまでに研究代表者は、典型金属であるマグネシウムを用いた新たなキラルビナブトラート塩を創製し、エナンチオ選択的ヒドロホスホニル化反応を開発した。ケトンのエナンチオ選択的ヒドロホスホニル化反応は、医農薬品に含まれる基本骨格であるキラルα-ヒドロキシリン化合物が合成できる。しかしケトンのエナンチオ面の認識の難しさと亜リン酸ジアルキルの反応性の低さから、その開発は困難であった。本マグネシウムビナフトラート触媒は、ジブチルマグネシウムとビナフトールから系中で調製できる高活性な酸塩基複合型触媒である。調製の容易さに加えて、ビナフトールの3,3'位の置換基や水やアルコール等のアキラルな助触媒によって、錯体の会合状態や酸塩基機能を容易にチューニングできる。従って、既存の触媒システムよりも多彩な触媒形態をとることができるため、ヒドロホスホニル化反応の開発が可能である。検討の結果、適切な不斉場構築及び酸塩基複合機能の発現に成功し、ケトンに対する高エナンチオ選択的ヒドロホスホニル化反応を達成した。ケトンに対するエナンチオ選択的ヒドロホスホニル化反応は、過去数例しか報告がなく極めて重要な反応開発である。また得られた光学活性な生成物の誘導を行い、医薬品のリード化合物として有用な環状リン酸エステルの合成にワンポッドで成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究の開始より一年で新たな触媒システムを創製することに成功し、それを用いて既存の触媒では困難な反応を開発することに成功したため。

今後の研究の推進方策

一年目では研究計画通り新たな触媒システムの創製に成功した。二年目においても申請書に記載した研究計画通りに研究を推進していく。つまり種々の典型金属を組み合わせることによって単一の金属種では構築困難な触媒種を反応系中で創製し、既存の触媒で困難な反応開発を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] キラルマグネシウム(II)ビナフトラート触媒を用いるα,β-不飽和ケトンへのエナンチオ選択的ヒドロホスホニル化反応2012

    • 著者名/発表者名
      堀部貴大、波多野学、石原一彰
    • 学会等名
      日本化学会第92回春季年会
    • 発表場所
      慶応義塾大学(神奈川県)
    • 年月日
      2012-03-25
  • [学会発表] α,β-不飽和ケトンの不斉ヒドロホスホニル化反応のためのキラルマグネシウム(II)ビナフトラート塩触媒開発2012

    • 著者名/発表者名
      堀部貴大、波多野学、石原一彰
    • 学会等名
      名古屋大学-理化学研究所有機化学研究交流会
    • 発表場所
      理化学研究所(埼玉県)
    • 年月日
      2012-03-19
  • [学会発表] キラル第一・二族金属ビナフトラート塩触媒を用いる直截的マンニッヒ型反応2011

    • 著者名/発表者名
      堀部貴大、波多野学、石原一彰
    • 学会等名
      第二回大津会議
    • 発表場所
      大津プリンスホテル(滋賀県)
    • 年月日
      20111017-20111018
  • [備考]

    • URL

      http://www.nubio.nagoya-u.ac.jp/nubio4/index.htm

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公開日: 2013-06-26  

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