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2012 年度 実績報告書

次世代分光・測光観測に基づく太陽系外惑星の表面環境同定とバイオマーカー

研究課題

研究課題/領域番号 11J06070
研究機関東京大学

研究代表者

藤井 友香  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード系外惑星 / 天文学 / 地球 / アストロバイオロジー / 生命 / 国際研究者交流 / アメリカ
研究概要

将来の系外惑星直接撮像によって地球型系外惑星の表層環境の詳細を調べる方法を検討している。これまでは特に、自転や公転による惑星光の時間変化を用いた惑星表層マッピングと組成同定の枠組みを整備し、地球の観測データとシミュレーションデータに適用することでその現実的な可能性を探ってきた。前年度までは、その枠組みの適用範囲は軌道傾斜角が0度の場合に限定されていた。軌道が傾いている場合、散乱の非等方性の影響でマッピングの結果が大きくバイアスされてしまうからである。今年度は、解析に使うフェーズを限定することでそのバイアスを抑制できることを確かめ、さまざまな軌道要素を持つ惑星について、自転軸の向きの推定と表層マッピングの可能性を系統的に調べた。また、潮汐ロックされている場合や木星のような縞状構造がある場合、あるいは過去の地球の大陸配置を持つ場合など、現在の地球と異なる様々な惑星モデルについても調べた。
さらに、EPOXIによって宇宙空間から観測された地球の近赤外分光データを用いて、点源としての地球のスペクトルに見られる大気分子の吸収線の時間変化を調べ、連続成分とは異なるふるまいをすることを示した。このふるまいは雲が不透明として簡単化したモデルで再現できることが確かめられ、逆に分子吸収線の時間変化から雲被覆の非一様性の情報が得られることが分かった。また、酸素や二酸化炭素と水蒸気の吸収線変動パターンが異なることに注目し、水蒸気分布の非一様性の検証可能性、またそれが与えうる水循環についての示唆について議論した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

惑星光の時間変化の地表面マッピングを一般の軌道要素の場合や大陸分布が異なる場合に拡張でき、第二の地球の表面の復元可能性を系統的に調べることができた。また、雲分布や水蒸気分布、ひいては水の循環について分子の吸収線によって調べる方法を、実際の地球のデータを用いて検証した。これらにより、系外地球型惑星の海や大陸、雲、そして水蒸気など、生命環境にとって極めて重要な情報を将来観測で得られる可能性が広がった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Variability of Water and Oxygen Absorption Bands in the Disk-Integrated Spectra of the Earth2013

    • 著者名/発表者名
      藤井 友香
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 765 ページ: id, 76

    • DOI

      10.1088/0004-637X/765/2/76

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mapping Earth-analogs from Photometric Variability : Spin-Orbit Tomography for Planets in Inclined Orbits2012

    • 著者名/発表者名
      藤井友香
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 755 ページ: id, 101

    • DOI

      10.1088/0004-637X/755/2/101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Can Ground-based Telescopes Detect the Oxygen 1. 27μn Absorption Feature as a Biomarker in Exoplanets?2012

    • 著者名/発表者名
      河原 創
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 758 ページ: id, 13

    • DOI

      10.1088/0004-637X/758/1/13

    • 査読あり
  • [学会発表] 吸収線の変動で探る地球型惑星の表層環境2013

    • 著者名/発表者名
      藤井 友香
    • 学会等名
      日本天文学会 春季年会
    • 発表場所
      埼玉大学(埼玉)
    • 年月日
      2013-03-23
  • [学会発表] Probing the Humidity of Earth-like Exoplanets2012

    • 著者名/発表者名
      藤井 友香
    • 学会等名
      IAU General Assembly
    • 発表場所
      北京(中国)
    • 年月日
      2012-08-27

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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