研究課題/領域番号 |
11J06103
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ルス クリスティアンエドゥアル 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 補償光学 / 重力レンズ / クエーサー |
研究概要 |
私の研究の目的は、すばる望遠鏡の補償光学による重力レンズ効果クエーサーの観測的研究である。大数の重力レンズ効果クエーサーの研究によって、それぞれの天体自体についての詳しい情報だけでなく、統計的に宇宙全体に関する新たの情報を求めている。しかしこのような情報を得るために、正確な(高解像度)観測データは必要となっている。このために、8メートル型のすばる望遠鏡を使って、さらに補償光学を用いて大気の揺らぎを修正し、高解像度観測をするのは本研究の手法である。 補償光学による重力レンズ効果クエーサーの最初の観測を2011年2月に行って、2012年2月に続けてさらに大数の天体を観測してきた。この研究の追求にあたって、一つの大きな問題は望遠鏡の観測時間を獲得することである。すばる望遠鏡は世界レベルの大型望遠鏡であるので、一つの研究課題に与えられる観測時間が非常に限られている。その上、観測提案を書いて、世界中の天文学者と競争し、観測時間を追求する必要があった。しかも、観測時間が与えられるとしても、観測するデータの正確さは天気状況次第である。その結果、現在までの観測状況として、約5晩の中、13個の天体の観測データしか取得不可能だった。観測時間が限られているということを知って、観測してほしい天体の中の面白い(つまり一番科学的なメリットのある)天体を優先した。なので、13個の天体は私が狙った観測天体の数の約半分以下としても、2012-2013年度では様々の面白い研究が可能になった。下記、その中の三つである: 1)一つのクエーサーのホスト銀河の検出ができた結果、中心にあるブラックホールとホスト銀河の関係を現在調べている。 2)一つのシステムに含まれている天体(つまりクエーサーの多数像)の相対的な明るさを説明するために重力レンズ効果を引き起こした銀河の衛生は存在でなければならないことが分かった。 3)現在まで知られていない像の配置のシステム候補を見つけたが、確認するために更にデータが必要である。 その上、補償光学データのない面白い重力レンズクエーサーを解析して、その研究成果を説明する論文を世界レベルの学会誌に今年出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の一年目では、補償光学を用いて重力レンズ効果クエーサーの最初の観測を行って、それは科学的なメリトがあったのみならず補償光学システムの力を表した主な例題にもなった。その結果についてプレスリリースを行った上、二つの国際会議で口頭発表した。その後、天気状の結果、狙った天体数の半分以下しか現在まで観測できなかったが、2013年4月の観測提案がアクセプトされたので、残り全数のターゲットを観測するチャンスが残っている。それ以上、現在までの高解像度データ中の科学メリットのある天体を発見し、その解析に集中してきた。その結果、現在まで研究はほぼ順調に進展していると思っている。
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今後の研究の推進方策 |
これから本研究を遂行する上で、特に二つの方策を考えている。一つはここまで得られた観測データの詳しい解析を完成することである。解くにこれまでの解析ではユニークな天体が発見されたのでそれらをよく理解する必要がある。その中のいくつかは現在のデータではっきり把握していない天体であるので、改めて観測する必要がでてきた。 それから二つ目の方策は2013年4月に行う予定の観測を遂行すし、既に科学のメリットがあると判断できた面白い天体を観測するだけでなく、残りのサンプルの大数のターゲットを観測し、統計的な研究を行うことである。
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