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2013 年度 実績報告書

原子炉ニュートリノを用いた新たな解析方法による最後のニュートリノ振動検出

研究課題

研究課題/領域番号 11J06289
研究機関首都大学東京

研究代表者

前田 順平  首都大学東京, 理工学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードニュートリノ / ニュートリノ振動 / 原子炉 / 素粒子 / ouble Choqz / θ13 / フランス / 国際情報交換
研究概要

この研究はDouble Chooz実験でもともと予定されているガドリニウム原子による中性子捕獲事象ではなく、水素原子による中性子捕獲事象を用いたニュートリノ信号の同定、及びニュートリノ振動角θ_<13>の測定である。昨年度に実際にθ_<13>測定を行い、sin^22θ_<13>=0.097±0.034 (stat)±0.034 (syst)という結果を得て論文に発表したが、今年度は精度の向上やガドリニウム原子の結果と組み合わせることに主眼を置いた。
水素捕獲の場合、バックグラウンド事象をいかに落とすかが一つの鍵となる。そのために新しい変数を用意し、選別条件の最適化を行っている。系統誤差としてはやはり前置検出器のデータを用いるのが必須であり、その建設に従事した。特にオンライン・エレクトロニクスの責任者としてデータ取得のツール改善などに尽力し、大きな改善に成功した。前置検出器は地下の深度が後置検出器よりも浅いため、バックグラウンド事象によってトリガーレートが増えることが予想されるが、それにも耐えうるものとなっている。
2014年夏頃に開始されるであろう前置検出器のデータ取得後にすぐに結果を出すためには統計をいかに稼ぐかが重要である。水素原子とガドリニウム原子両方の捕獲事象を用いれば統計は2倍となり、より早く精度の良い結果が出せると期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

初期データで結果を出すという当初の計画は昨年度に完了しており、今年度はさらに精度を増すための研究が行われた。この研究はDouble Chooz実験において、前置検出器が完成した後も基幹解析の一つとなり、当初の計画以上に進展した。

今後の研究の推進方策

この解析方法を既存のガドリニウム原子と組み合わせることによって、より精度の良い混合角を出すことが可能であることが分かった。今後は統計を稼ぎつつ、一つ一つの系統誤差削減のための研究が主となる。Double Chooz実験としては前置検出器のデータ取得・解析が最重要課題であり、かなりの系統誤差を減らすことが可能となると思われる。この解析方法は統計誤差を減少させるために役立つと思われており、これからも続けていくことが必要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Background-independent measurement of θ_<13> in Double Chooz2013

    • 著者名/発表者名
      Y. Abe, et al. (Double Chooz collaboration)
    • 雑誌名

      arXiv

      巻: 1401(submitted) ページ: 5981

  • [学会発表] Review of the θ_<13> in reactor neutrino experiments2013

    • 著者名/発表者名
      J. Maeda
    • 学会等名
      International Workshop on Next generation Nucleon Decay and Neutrino Detectors (NNN13)
    • 発表場所
      IPMU
    • 年月日
      2013-11-11
    • 招待講演
  • [学会発表] Double Chooz実験の解析と前置検出器建設状況2013

    • 著者名/発表者名
      前田 順平
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      高知大学
    • 年月日
      2013-09-23
  • [備考]

    • URL

      http://dchooz.titech.jp.hep.net/

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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