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2013 年度 実績報告書

DNAバーコードによる東南アジア非季節性熱帯林の植物-植食者群集の構造特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J06333
研究機関東京大学

研究代表者

岸本 圭子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD)

キーワードDNAバーコーディング / 東南アジア / 非季節性熱帯林 / 植食性昆虫 / 群集構造 / 寄主植物 / 相互作用 / 昆虫群集
研究概要

本研究は、昆虫の体内から寄主植物のDNAを抽出し、DNAバーコーディングによって、東南アジア非季節性熱帯林の植物-植食性昆虫の相互関係と、その関係を形成する要因の解明を目指す。昆虫の胃内容物に残った少量の寄主植物DNAを同定する技術には問題点が多く、こうした技術をもとに植食者と植物関係を明らかにした研究はこれまでほとんどなかった。そこで平成23年度は、技術的な問題を解決し、新しい実験プロトコールを確立した。また、調査地で、植食性昆虫(ハムシ科成虫)の集中的なサンプリングを実施した。平成24年度は、その実験プロトコールをもとに、集めたハムシ科成虫約100個体の寄主植物DNAの抽出・解析を行った。さらに、既存のDNAリファレンスデータベースを使って、得られた植物塩基配列がどの植物ファミリーに属するのかを調べ、ハムシ科1種が利用する植物ファミリーの幅を推定した。その結果、ハムシ科11種のうち9種で、複数の植物ファミリーを餌植物として利用していることを明らかにした。特に多い種では、少なくとも11科の植物種を利用していることが示され、先行研究でわかっている広食性昆虫(2~3科の植物を利用)と比べても顕著に多い植物を利用していることがわかった。熱帯ではこれまで植食者は寄主植物に特殊化していると考えられてきたが、本研究によって、従来の定説を覆す実証データを示すことができた。平成25年度は、これらの成果を学会で発表したほか、招待講演も行った。また、成果をまとめた記事が国際誌に掲載され、熱帯林の植物-植食性昆虫関係の維持や形成に関わるメカニズムに新しい視点をもたらしたと考えている。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Wide host ranges of herbivorous beetles? : Insights from DNA barcoding2013

    • 著者名/発表者名
      K. Kishimoto-Yamada, K Kamiya, PMeleng, B. Diway, H. Kaliang, L. Chong, T. Itioka, S. Sakai, M. Ito
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 8 ページ: e74426

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0074426

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chronosequential changes in species richness of forest-edge-dwelling butterflies during forest restoration after swidden cultivation in a humid tropical rainforest region in Borneo.

    • 著者名/発表者名
      T. Itioka, K. Takenaka Takano, K. Kishimoto-Yamada, T. Tzuchiya, Y. Ohshima, R. Katsuyama, M. Yago, O. Yata, M. Nakagawa, T. Nakashizuka
    • 雑誌名

      Journal of Forest Research

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1007/s10310-014-0444-3

    • 査読あり
  • [学会発表] 林冠節足動物群集の構造特性の解明~今回は半翅目編2014

    • 著者名/発表者名
      岸本圭子・石川忠・市岡孝朗
    • 学会等名
      第61回日本生態学会大会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島県広島市)
    • 年月日
      2014-03-15
  • [学会発表] DNAバーコーディングによって熱帯の昆虫と植物の相互作用網を紐解く2013

    • 著者名/発表者名
      岸本圭子
    • 学会等名
      第29回個体群生態学会大会
    • 発表場所
      大阪府立大学(大阪府堺市)
    • 年月日
      2013-10-12
    • 招待講演
  • [学会発表] 東南アジア熱帯林のハムシ成虫の食性-DNAバーコーディングによる解明-2013

    • 著者名/発表者名
      岸本圭子・伊藤元己
    • 学会等名
      日本昆虫学会第73回大会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2013-09-16
  • [学会発表] 熱帯昆虫の個体数変動に季節性はあるのか?2013

    • 著者名/発表者名
      岸本圭子
    • 学会等名
      日本昆虫学会第73回大会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2013-09-15

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公開日: 2015-07-15  

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