研究概要 |
画像解析プログラムの開発 従来の出芽酵母用画像解析プログラムCalMorph(Ohya et al, 2005, PNAS)に比べて、出芽酵母以外の生物の画像も解析可能な汎用CaIMorphの開発に着手した。モデルとなる生物にはHaematococcus pluvialisを使用して、テストケースとなる顕微鏡画像の撮影を行った。40倍で撮影した画像を使用してカラー成分を主成分分析することで、細胞の縁を認識するアルゴリズムの開発を行った。また、ツボカビを判定して形態的特徴を定量するプログラムもβ版としてjavaで実装した。 主成分分析による多次元形態パラメータの再編成 CalMorphによって出力される501の形態パラメータは互いに相関する場合があるため、主成分分析を行うことで独立な形態パラメータに再編成することを考えた。パラメータ間の相関はパラメータの幾何学的な定義が類似している場合に加えて、互いに関連した細胞内のプロセスを反映している場合が考えられた。関連した細胞内のプロセスを反映しているパラメータをまとめるために、主成分分析を行うことで独立な形態パラメータに再編成することを考えた。関連した細胞内のプロセスを反映しているパラメータをまとめるために、細胞に複数の濃度で一つの薬剤を処理したときに同様に変化するパラメータを二段階の主成分分析で抽出する方法を考案した。形態変化を引き起こすことが知られている薬剤JBIR-19(Kozone et al., 2009, J. Antibiot.)を使用して関連した細胞プロセスを表すパラメータのセットを4つの成分に分解することに成功した。JBIR-19処理した形態データと野生型データの異なる二つのデータを使用して連続的に二段階の主成分分析を行った結果を論文にまとめ発表した(Ohnuki et al., 2011, FEMS Yeast. Res.)。
|