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2012 年度 実績報告書

平面固定トリアリールボランを鍵とする機能性π電子系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11J06543
研究機関名古屋大学

研究代表者

櫛田 知克  名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードホウ素 / π電子系化合物 / 構造固定 / 軌道相互作用 / ラジカル / σ錯体 / 理論計算 / X線結晶構造解析
研究概要

平面固定トリフェニルボランおよびその誘導体ついて、その性質を明らかとした。今年度は特に、平面固定トリフェニルボランの一電子還元体であるラジカルアニオン種の単離同定および平面固定トリフェニルボランと炭素求核剤であるt-BuLiとの反応から誘導されるボラシクロファンについて精力的に研究を行った。
ラジカルアニオンについては、金属カリウムを用いて平面固定トリフェニルボランを化学的に一電子還元することで合成に成功し、X線結晶構造解析によりその構造を明らかとした。また、電子スピン共鳴(ESR)スペクトルの測定や理論計算を行い、その電子構造について明らかにするとともに、これまでに報告されている類似の化合物との比較を行った。その結果、平面固定トリフェニルボランラジカルアニオンは、その平面性の高い分子骨格に由来して、不対電子スピン密度がより非局在化していることを見出した。
ボラシクロファンについては、この化合物が特異なホウ素-ベンゼン相互作用をもつことに着目し、研究を行った。具体的には、この相互作用をより強めるためにジメチルアミノ基を導入した誘導体を合成し、X線結晶構造解析によりその構造を明らかとした。その結果、ホウ素と近接したベンゼン環の炭素原子との間に明確な結合性相互作用があり、ベンゼン環が明らかな結合交替をもつことを見出した。さらに、NMR解析や詳細な理論計算を行い、このホウ素-ベンゼン相互作用の本質についての理解を試みた。その結果、ジメチルアミノ置換ボラシクロファンはホウ素とベンゼンが強く相互作用したσ錯体に近い構造であることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
理由

最終年度

今後の研究の推進方策

最終年度

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Planarized B-phenylborataanthracene anions : structural and electronic impacts of coplanar constraint2012

    • 著者名/発表者名
      Tomokatsu Kushida, Zhiguo Zhou, Atsushi Wakamiya, Shigehiro Yamaguchi
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 48 ページ: 10715-10717

    • DOI

      dx.doi.org/10.1039/C2CC35874C

    • 査読あり
  • [学会発表] ボラシクロファンの化学:ホウ素-ベンゼンσ錯体の形成2013

    • 著者名/発表者名
      櫛田知克、山口茂弘
    • 学会等名
      第93日本化学会春季年会
    • 発表場所
      立命館大学、びわこ・くさつキャンパス
    • 年月日
      2013-03-22
  • [学会発表] 平面固定トリフェニルボランの励起状態ダイナミクス2012

    • 著者名/発表者名
      櫛田知克、首藤亜由美、片山哲郎、伊都将司、宮坂博、作田絵里、喜多村昇、CAMACHO, Cristopher、IRLE, Stephan、周治国、若宮淳志、山口茂弘
    • 学会等名
      2012年光化学討論会
    • 発表場所
      東京工業大学、大岡山キャンパス
    • 年月日
      2012-09-12
  • [学会発表] Planarized Triphenylboranes : Unique Structural Change in the Excited State2012

    • 著者名/発表者名
      Tomokatsu Kushida, Ayumi Shuto, Tetsuro Katayama, Syoji Ito, Hiroshi Miyasaka, Eri Sakuda, Noboru Kitamura, Cristopher Camacho Leandro, Stephan Irle, Shigehiro Yamaguchi
    • 学会等名
      IRIS-13
    • 発表場所
      Victoria, Canada
    • 年月日
      2012-07-31
  • [学会発表] Excited State Dynamics of Planarized Triphenylboranes2012

    • 著者名/発表者名
      Tomokatsu Kushida, Ayumi Shuto, Tetsuro Katayama, Syoji Ito, Hiroshi Miyasaka, Cristopher Camacho Leandro, Stephan Irle, Zhiguo Zhou, Atsushi Wakamiya, Shigehiro Yamaguchi
    • 学会等名
      ICHAC-10
    • 発表場所
      京都大学、宇治キャンパス
    • 年月日
      2012-05-22

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公開日: 2014-07-16  

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