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2011 年度 実績報告書

人とロボットの音楽インタラクションのための非線形モデルに基づく同期演奏技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11J06572
研究機関京都大学

研究代表者

水本 武志  京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード合奏 / 共演者ロボット / インタラクション / 動物行動学
研究概要

本研究では,ロボットが人の演奏を予測し同期して合奏するための同期演奏技術の開発を目的とする.平成23年度は、共演者ロボットとして開発しているテルミン演奏ロボットの機能向上、マルチモーダルな情報を用いた同期と多人数合奏への応用、そしてニホンアマガエルの集団発声行動における同期状態の調査を行った。
1.テルミン演奏ロボットシステム: 従来の楽器演奏ロボットはハードウェア依存であったが、本システムは異なる身体性をもつ複数のロボットへ移植可能である。ただし、テルミンは周囲の環境に敏感に影響を受けてして特性が変化する問題があった。そこで、特性のパラメトリックなモデルと演奏音の誤差を用いて、unscentedカルマンフィルタによる実時間で特性変化を追従する手法を開発した。この内容はIEA-AIE2012に採録された。
2.同期演奏: 人の演奏に合わせて自然な合奏を行うためには、合奏中のビートの同期と、リズムの存在しない合奏の開始・終了タイミングの同期が必要となる。そこで、合奏中にギター演奏の演奏音と腕振り動作の視聴覚統合によるビートトラッキングによって同期する手法と、合奏の開始・終了タイミングをフルートのジェスチャによって同期する手法を開発した。そして、ギター奏者とフルート奏者の2人の人間と、2体のロボットによる四人の合奏を実現した。この内容はEURASIP Special Issue,情報処理学会論文誌などに採録された。
3.集団発声行動計測: ニホンアマガエルなどの集団で発声行動を行う生物の多くは、人同士の合奏と同様に周囲の発声行動を聞きながらで同期することが知られている。生物の生息地は雑音が多数存在するため通常のマイクアレイ処理では定位・分離が困難なので、光を音に変換するデバイスを開発して野外での集団発声の時空間構造を可視化した。その結果、同期パターンの計測に成功した。この内容はJournal of Comparative Physiology Aに採録された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、人に合わせて同期演奏する技術の開発だけでなく、実際に人と合奏する共演者ロボットに実装することも目的としている。本年度は目的どおり合奏前後と合奏中の同期演奏を開発し、実際に人間2人とロボット2体の合奏までを達成した。また、発声行動の調査も計画通り行い、野外の行動が可視化に成功した。したがって、当初の計画通りおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

共演者ロボットの能力向上と同期演奏技術の開発が進展したので、今後はそれらを統合することで合奏システムの洗練化を行う。また、多人数での合奏におけるLeader/Followerは本研究の目的の(3)の演奏表現が合う高次同期に重要なので、その推定も行う。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] A multi-modal tempo and beat tracking system based on audio-visual information from live guitar performances2012

    • 著者名/発表者名
      T.Itohara, T.Otsuka, T.Mizumoto, et al
    • 雑誌名

      EURASIP Journal on Audio, Speech, and Music Processing

      巻: 2012:6

    • DOI

      10.1186/1687-4722-2012-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A musical robot that synchronizes with a co-player using non-verbal cues2012

    • 著者名/発表者名
      A.Lim, T.Mizumoto, et al
    • 雑誌名

      Advanced Robotics

      巻: No.26 ページ: 363-381

    • DOI

      10.1163/156855311X614626

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sound Imaging of Nocturnal Animal Calls in Their Natural Habitat2011

    • 著者名/発表者名
      T.Mizumoto, et al
    • 雑誌名

      Journal of Comparative Physiology A

      巻: Vol.197, No.9 ページ: 915-921

    • DOI

      10.1007/s00359-011-0652-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 音楽共演ロボット:開始・終了キューの画像認識による人間のフルート奏者との実時間同期2011

    • 著者名/発表者名
      リム・アンジェリカ, 水本武志, 他
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌

      巻: Vol.52 No.12

    • 査読あり
  • [学会発表] An interactive musical ensemble with the NAO Thereminist2011

    • 著者名/発表者名
      A.Lim, 水本武志, 他
    • 学会等名
      第34回AIチャレンジ研究会,人工知能学会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2011-12-15
  • [学会発表] マルチロボットによるKinectを用いた同期合奏2011

    • 著者名/発表者名
      糸原達彦, 水本武志, 他
    • 学会等名
      第34回AIチャレンジ研究会,人工知能学会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2011-12-15
  • [学会発表] More cowbell! A musical ensemble with NAO thereminist2011

    • 著者名/発表者名
      A.Lim, T.Mizumoto, et al
    • 学会等名
      IROS 2011
    • 発表場所
      サンフランシスコ(アメリカ)
    • 年月日
      2011-09-29
  • [学会発表] Particle-filter Based Audio-visual Beat-tracking for Music Robot Ensemble with Human Guitarist2011

    • 著者名/発表者名
      T.Itohara, T.Mizumoto, et al
    • 学会等名
      IROS 2011
    • 発表場所
      サンフランシスコ(アメリカ)
    • 年月日
      2011-09-26
  • [学会発表] テルミン演奏ロボットのためのUnscented Kalman Filterによる適応的音高制御2011

    • 著者名/発表者名
      水本武志, 他
    • 学会等名
      日本ロボット学会第29回学術講演会
    • 発表場所
      芝浦工業大学
    • 年月日
      2011-09-09
  • [学会発表] パーティクルフィルタを用いたギター演奏の視聴覚統合ビートトラッキング2011

    • 著者名/発表者名
      糸原達彦, 大塚琢馬, 水本武志, 他
    • 学会等名
      日本ロボット学会第29回学術講演会
    • 発表場所
      芝浦工業大学
    • 年月日
      2011-09-09
  • [学会発表] Adaptive Pitch Control for Robot Thereminist using Unscented Kalman Filter2011

    • 著者名/発表者名
      T.Mizumoto, et al
    • 学会等名
      IEA-AIE 2012
    • 発表場所
      大連(中国)(発表決定)
    • 年月日
      2011-06-09

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公開日: 2013-06-26  

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