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2014 年度 実績報告書

イタリア・スロベニア・クロアチア間国境地域の「国際協力と共生」可能性の質的調査

研究課題

研究課題/領域番号 11J06880
研究機関中央大学

研究代表者

鈴木 鉄忠  中央大学, 文学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワード国境 / 境界領域 / 社会運動 / 多文化共生 / ディアスポラ / フィールド・ワーク / イタリア / トリエステ;イストリア
研究実績の概要

本研究は次の4つの研究課題を設定した。それらに対応させて当該年度の研究成果を述べる。
1.【課題A 実証研究:国境の歴史認識をめぐる団体・地方自治体間のネットワーク分析】「イタリア回想の記念日」は、その創設から10年が経過した。現地調査では、スロベニア・コペルで行われた「記念日」に関する歴史と記憶の書評会に参加した。スロベニア系の識者や研究者が主催した会では、イタリア国内の公共空間(道や広場、モニュメント)への国境の歴史認識の制度化が、イタリア国民の物語に適合するような解釈に回収されることへの強い危惧が存在することがわかった。
2.【課題B 質的調査:「国際協力と共生」を目指す団体の「私たち」の考察】トリエステの市民文化団体「チルコロ・イストリア」が企画運営する書評会に参加し、発表を行った。国境の歴史認識をめぐって、当事者には3つの異なった過去への向き合い方――「終わらない過去」「鎮められた過去」「終わらせない過去」――が現われている。国際協力と共生を目指す「私たち」を構築するためには、①「終わらない過去」をいかに「鎮められた過去」として受容できるか(痛苦を体験した個々人の内なる和解)、②いかに「終わらせない過去」の恣意性を明らかにし、「鎮められた過去」へとつくりかえていけるか(痛苦を体験した集団間の和解)が重要になるという知見を得た。
3.【課題C 理論研究:地域の社会運動に関する諸概念の検討】同研究の成果である『“境界領域”のフィールドワーク』(新原道信編、2014年)のリフレクションを行った。現代社会の「物理的限界」である惑星地球と身体を組み込んで社会理論を構築していく重要性が確認された。
4.【課題D 調査関係:〈調査する側〉と〈される側〉の関係のリフレクション】コペル沿海大学(スロベニア)の現代史家J.ピルイェビッチ教授の招聘により、成果報告を行い、現地との知見交換を行った。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] “二重の自由”を剥ぎとる施設化のメカニズム――F.バザーリアの精神病院批判を手がかりに2015

    • 著者名/発表者名
      鈴木鉄忠
    • 雑誌名

      中央大学文学部紀要 社会学・社会情報学

      巻: 25 ページ: 印刷中

  • [雑誌論文] 3.11以降の現代社会理論に向けて――アルベルト・メルッチの惑星社会論を手がかりに2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木鉄忠
    • 雑誌名

      中央大学社会科学研究所年報

      巻: 18 ページ: 127-146

  • [学会発表] Constructing Identities Across Borders: Case of the Istrian-Italian Diaspora in Trieste,2014

    • 著者名/発表者名
      Tetsutada SUZUKI
    • 学会等名
      XVIII ISA World Congress of Sociology
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-07-15
  • [学会発表] 脱施設化の地域展開と自由――トリエステ地域精神保健サービスの調査研究からの考察2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木鉄忠
    • 学会等名
      福祉社会学会
    • 発表場所
      東洋大学(東京・白山キャンパス)
    • 年月日
      2014-06-29

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公開日: 2016-06-01  

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