今年度は、銀河衝突過程で生じる重力波の解析に用いた銀河モデルを、宇宙論的シミュレーションに組み込んだ。そして、大規模構造の中でこれらの銀河がどのような進化を遂げたかを解析した。中でも、銀河団中心に存在する大質量銀河に焦点を当て解析を進めた。その結果、これらの大質量銀河は他の銀河とは異なった形成過程である事が分かった。さらに、最終形態も明らかに他の銀河とは異なっていた。また、十分な統計を取るために多くの宇宙論的シミュレーションを行った。そして、これらの結果を論文にまとめている途中である。 また、銀河形成過程の観測的な面からの解析に興味を持ち、スローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)が観測した銀河の解析も行った。特に、約60億年前の大質量銀河の質量進化に焦点を当てて解析を進めた。その結果、60億年前から現在までにそれらの銀河の質量はほとんど進化していない事を突き止めた。これらの結果はMonthly Notices of the Royal Astronomical Societyに投稿した。レフェリーからのコメントも頂き、近いうちに受理予定である。 最後に、特別研究員として行った3年間の研究を博士論文にまとめ、公聴会での審査を通り、3月25日に学位を受理された。
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