研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、特別研究員採用一年目ということで、当初の研究予定としては、日々の生活の記憶であるエピソード記憶の記銘・想起のメカニズムの仮説の一つである「再活性化の仮説」を検討することを目的とし、下記の2種類の研究・研究遂行の準備を行う予定であった。研究A:健常者を対象とした、脳機能画像法(差分法・Dynamic Causal Modeling; DCM)を用いた研究。研究B:脳損傷者と健常者を対象とした、構造画像(拡散テンソル画像,3D画像のvoxel-based morphometry 解析; VBM解析)と心理実験を用いた研究。本年度は上記の研究Aの実験プロトコル作成のためのパイロットスタディ・実際の実験プロトコル作成・データ取得・解析まで行い、研究Bの実験プロトコル作成のためのパイロットスタディを行う予定であったが、昨年3月に起こった東日本大震災の影響で受入研究機関の閉鎖(平成23年5月上旬まで)、また実際に研究活動を行う実験施設(MRIを使用する実験施設)のMRIの破損により、実験自体の遂行が難しい時期が続いた(平成23年6月上旬まで)。受入研究先の閉鎖期間、またMRIの使用が不可能であった期間は、研究Aの実験プロトコル作成のために先行研究の調査を行い、研究遂行のためにできることを行ってきた。実験施設のMRI復旧後は、他の利用者との兼ね合いや自身の研究Aの実験プロトコル完成が遅れていることもあり、比較的簡易にデータ取得ができるfunctional MRI実験を行い、そのデータ解析を進めている。このデータに関しては、来年度の早い時期にデータ解析を終了させ、その成果を国内の学会で発表し、論文を執筆する予定である。
3: やや遅れている
昨年3月に起こった東日本大震災の影響で受入研究機関の閉鎖(平成23年5月上旬まで)があり、また実際に研究活動を行う実験施設(MRIを使用する実験施設)のMRIの破損により、実験自体の遂行が難しい時期が続いた(平成23年6月上旬まで)ため。
9.研究実績の概要に記載した、研究Aの遂行が滞っているので、速やかにその実験プロトコルを完成させるためにパイロットスタディを進め、本実験(fMRI実験)に入れるようにする。特に研究計画に変更などは生じない予定である。また、研究Bに関しても研究Aと平行して準備を進める。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
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