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2013 年度 実績報告書

単為生殖における進化メカニズムの発生遺伝学的追究と性の進化・存在意義の検討

研究課題

研究課題/領域番号 11J07977
研究機関独立行政法人農業生物資源研究所

研究代表者

関根 一希  独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫成長制御研究ユニット, 特別研究員(PD)

キーワード減数分裂 / 性 / 精子形成 / 成熟分裂 / 単為生殖 / 膜翅目 / 半数-倍数性 / ノックダウン
研究概要

主な膜翅目昆虫のオス個体は半数体であり, 精子形成の際には精母細胞が体細胞分裂様に分裂(成熟分裂)し, 減数分裂を行なわない。しかし, 近年の膜翅目昆虫(セイヨウミツバチやキョウソヤドリコバチ)のゲノム解析の結果では, キイロショウジョウバエにおいてオス特異的な減数分裂のエントリーに必要とされる遺伝子であるboule (bol)が認められており, 減数分裂を行なわない精子形成をする膜翅目にとって, その機能は謎とされていた。本研究は, bolに焦点をあて, 半-倍数性への進化の謎に対して発生遺伝学的ツールにより明らかにした。
これまで, 膜翅目昆虫のカブラハバチのbolにおいて, 複数の転写産物が生じるが, 成熟分裂ステージである前蛹-蛹初期の精巣で特異的に発現する分子種が存在すること, bolの分子種にやや遅れてcdc25が精巣にて発現すること, Larval RNAiやParental RNAiによる遺伝子機能阻害(ノックダウン)実験により, どちらの遺伝子についても機能が阻害されると正常に精子形成が進行しないことを明らかにしてきた。本年度においては, 精母細胞および精細胞のフローサイトメトリー解析により, bolおよびcdc25をノックダウンした個体の精子形成では、精母細胞における染色体の倍加(半数体から二倍体)は生じるものの, その後の分裂は進行せずに二倍体の精母細胞のままストップすることを明らかにした。また, cdc25をノックダウンした個体では正常な成熟分裂が生じないにも関わらず, 不完全な精子分化を生じる細胞が認められた, 一方で, bolをノックダウンした個体では精子分化する細胞は認められなかった。したがって, 膜翅目の半数体オス個体の精子形成においても, 成熟分裂(二倍体から半数体への分裂ステージ)や精子分化の機能にbolは必須であると考えられる。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Phylogeography of the East Asian polymitarcyid mayfly genus Ephoron (Ephemeroptera : Polymitarcyidae) : A new attempt at phylogenetic analysis utilizing the nuclear DNA PEPCK gene2013

    • 著者名/発表者名
      Sekine K. and K. Tojo
    • 雑誌名

      Proceedings of the 1st Symposium of the Benthological Society of Asia

      巻: Suppleme ntary 2 ページ: 115-123

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 千曲川における大量発生昆虫オオシロカゲロウの流程分布2013

    • 著者名/発表者名
      関根一希、末吉正尚、東城幸治
    • 雑誌名

      陸水学雑誌

      巻: 74 ページ: 73-84

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 関東平野にのみ棲息するアカツキシロカゲロウEphoron eophilum(カゲロウ目シロイロカゲロウ科)の分布調査 : 利根川水系以外の新産地の発見2013

    • 著者名/発表者名
      関根一希、岸本亨、倉西良一、東城幸治
    • 雑誌名

      New entomologist

      巻: 62 ページ: 21-27

    • 査読あり
  • [学会発表] 地理的単為生殖昆虫オオシロカゲロウに近縁な両性生殖種アカツキシロカゲロウの潜在的単為生殖能力2013

    • 著者名/発表者名
      関根一希、東城幸治
    • 学会等名
      日本動物学会第84回大会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山県)
    • 年月日
      2013-09-28
  • [学会発表] 福島県・阿武隈川における地理的単為生殖昆虫オオシロカゲロウの単為生殖系統と両性生殖系統の流程分布2013

    • 著者名/発表者名
      関根一希、東城幸治
    • 学会等名
      日本昆虫学会第73回大会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      2013-09-14
  • [学会発表] 半-倍数性昆虫カブラハバチにおけるboule遺伝子の機能解析2013

    • 著者名/発表者名
      関根一希、畠山正統
    • 学会等名
      日本進化学会第15回大会
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県)
    • 年月日
      2013-08-28
  • [学会発表] 膜翅目昆虫カブラハバチの半数体オスで生じる精子形成においてboule遺伝子およびcdc25遺伝子は必須2013

    • 著者名/発表者名
      関根一希、畠山正統
    • 学会等名
      日本節足動物発生学会第49回大会
    • 発表場所
      つくばグランドホテル(茨城県・筑波大学)
    • 年月日
      2013-06-08

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公開日: 2015-07-15  

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