研究課題/領域番号 |
11J08532
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岡田 将史 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | プロテアソーム阻害剤 / リポソーム / ドラッグデリバリーシステム / がん幹細胞 |
研究概要 |
プロテアソーム阻害剤を用いた乳がん幹細胞標的治療法を開発するため、以下の項目について研究を行った。1、トラスツズマブを標識したシスプラチン内封リポソームの抗癌活性評価。従来よりも高濃度のシスプラチンを封入したリポソームに、抗体医薬であるトラスツズマブを標識したリポソームを作成し、動物実験レベルでの抗癌活性を評価した。シスプラチンとトラスツズマブを組み合わせた乳がん治療法は現在までに報告がなく、乳がんに対する新たな治療法を提供しうる基盤を整えた。2、プロテアソーム阻害活性を有する有機化合物の評価。アフリカ原産の薬効植物を基本骨格に持つ低分子化合物を合成し、これらの細胞毒性と酵素阻害活性を評価した。基本骨格に特定の官能基を付加することで、細胞毒性とプロテアソーム阻害活性の両者を向上させることに成功した。この化合物は、植物性のアルカロイドであり、プロテアソーム阻害活性を有することは報告されていない。現在、新規のプロテアソーム阻害剤として特許取得にむけて手続きを進めている。3、血中滞留性の向上をめざした新規リポソーム材料の開発と機能評価。リポソームは血中に投与すると、肝臓に存在するクッパー細胞に貪食され、薬効成分が患部に到達する量が不十分になることが問題となっている。このクッパー細胞に認識され難い化合物でリポソームを調整することにより、クッパー細胞に貪食される割合を低減することに成功した。4、がん幹細胞のモデル整備。がん幹細胞標的治療法を開発するため、マウスips細胞を用いてがん幹細胞様の特徴を有する細胞を調製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リポソームに内封する化合物の供給が滞っているため。
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今後の研究の推進方策 |
リポソームに内封する化合物に、当初予定していたものとは別の薬剤を使用することを検討する。
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