• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

環境改変に伴う魚類の生活史変化が湖沼生態系に及ぼす波及効果の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J08703
研究機関龍谷大学

研究代表者

満尾 世志人  龍谷大学, 研究部, 特別研究員(PD)

キーワード湖沼 / 魚類 / 移動
研究概要

これまで多くの湖沼において沈水植物と共に多大な生物多様性を急激に失うレジームシフトが観察されてきた。こうした湖沼のレジームシフトには、湖沼・河川間など異なる生息地間を移動する魚類の生態が強く関連すると考えられ、水域ネットワークの分断がレジームシフトの引き金となることも予測される。そこで本研究では、魚類による生息地間の移動が、動物プランクトンへの捕食圧変化などを介して湖沼生態系に与える波及効果を明らかにすることを目的とする。
本年はフィールドでの調査対象となりうる湖沼の探索・選定、農業生産と利水状況の関係について現地調査を行った。主に探索を行ったのは滋賀県大津市および兵庫県加古川市、岩手県奥州市などであるが、このうち兵庫県のため池において調査対象として適切である可能性のある農業用ため池を確認した。また、これらため池の一部については魚類の採捕を実施し、ヨシノボリ及びモツゴが中心的な生息魚種であることを確認した。一方で、水田・ため池の空間配置や各水田における水利用の変化に伴い取水状況が変化するため、ため池を含む水域ネットワークは時間的に大きく変化することを把握した。今後は当該ため池に関して、水利用の時間変化等も考慮し、魚類群集とプランクトン群集について調査を進め、魚類群集の種構成や生活様式が湖沼の栄養状態に及ぼす影響について解析を行っていく。
また、他分野の研究者とも積極的に議論・交流を行い、ため池を対象として水質の解析に取り組んでいる研究者と共同調査の計画を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査地の選定や魚類相に関する予備的な調査が終了しているため。

今後の研究の推進方策

計画に従い、今後フィールドにおける魚類およびプランクトン群集のサンプリングを進める。問題点としてため池を含む水域ネットワークの時間的変化の大きさが挙げられるが、当該地域における農事暦の詳細を把握し対応していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Environmental influences on fish assemblages in irrigation ponds2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshito Mitsuo
    • 雑誌名

      Aquatic Ecology

      巻: 45 ページ: 473-482

    • DOI

      10.1007/s10452-011-9368-6

    • 査読あり
  • [学会発表] Movement patterns of small benthic fish (Lefua echigonia) in headwater streams : how are they distributed?2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshito Mitsuo
    • 学会等名
      Joint Meeting of The 59th Annual Meeting of ESJ & 5th EAFES International Congress
    • 発表場所
      龍谷大学(滋賀県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-19

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi