平成24年度は、博士論文の執筆準備継続、博士論文予備論文提出、各図書館・文庫での「色葉字類抄」関連文献書誌調査継続、データベース構築継続、黒川文庫東京大学文学部国語研究室所蔵黒川文庫辞書之部書誌調査継続、学会発表(1件)、論文投稿(4件)を行った。具体的には以下の通りである。 ■5月、「国語と国文学」に論文投稿を行い、「国語と国文学」2月号に論文が掲載された。 ■10月に訓点語学会研究発表会にて口頭発表を行い、その内容を分割し「訓点語と訓点資料」「日本語学論集」に投稿し、掲載された。 -3月、査読付論文の本数などが博士論文提出のための基礎条件(東京大学大学院人文社会系研究科日本語日本文学専門分野における内規)を満たすこととなったため、博士論文予備論文を東京大学大学院人文社会系研究科に提出した。 -書誌調査は、神宮文庫(三重)、龍門文庫(奈良)・学習院大学(東京)にて行い、これまで内容の明らかにされてこなかった「色葉字類抄」伝本とそれに準ずる書物について、新たな知見を得た。 圏1年を通して、データベース(試用版http://arukas168.sakura.ne.jp/crdb/)用のデータ整理・更新を行った。 ■1年を通して、所属研究室である東京大学国語研究室所蔵黒川文庫の調査を行い、調査結果を「日本語学論集」第9号に投稿し、掲載された。 -1年を通して、マイクロフィルム(ポジ)プリントアウト作業を行った。 以上は、交付申請書の「研究の目的」に記した、(1)古辞書『色葉字類抄』に収録された語彙の性格を可能な限り明らかにすること、(2)データの公開を行い、広く学会の利用に供すること、の二点を満たし、また「研究実施計画」に記した、伝本調査、語彙データ化、学会発表等の計画を予定通り遂行したものである。
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