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2011 年度 実績報告書

アピコンプレクサRab5Bと陸上植物ARA6が制御する小胞輸送経路の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11J08803
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

海老根 一生  国立感染症研究所, 寄生動物部, 特別研究員(PD)

キーワードRab5 / 小胞輸送
研究概要

本研究を行うに際し,まずPlasmodium berghei,およびP. falciparumの培養法,系質転換法など基本的な実験手技の習得を行った.また,P. berghei, P. falciparumのRab5の抗体を作製,精製し,PbRab5a, PfRab5bについて特異性の高い抗体が得られた.
Rab5bがPlasmodiumにおいて必須の遺伝子であるかを明らかにするため,P. bergheiを用いてRab5b knock out原虫の表現型解析を行った.その結果,PbRab5b knock out原虫が致死の表現型を示すこと,すなわちPbRab5bがマラリア原虫の生存に必須の遺伝子であることが明らかになった.また,PbRab5b-GFPがこの表現型を相補したことから,Rab5b-GFPが正常な機能を有していることが示された.PbRab5b-GFPの局在を観察したところ,メロゾイトからリング期においては1,ないし2個のドット状の構造が,トロホゾイト,シゾント期には多数の小さいドットが観察された.このドット状のオルガネラを特定するため,各種オルガネラのマーカーを入手した.
また,Rab5bの機能に必須な領域を明らかにするため,顕著に保存された領域である脂質修飾部位とエフェクタードメインに注目して,他のRab5とのキメラ遺伝子による相補能検定を行った.特に脂質修飾部位に注目した結果,PbRab5b^<G2A>-GFP変異株は致死であるが,PbRab5b^<C3A>-GFP変異株は得られたことから,N末のミリストイル化は必須であるが,パルミトイル化は必須でないことが示唆された.また,トキソプラズマのRab5bによるマラリア原虫Rab5b knock out変異体の機能相補実験を試みたが,現在までに機能相補は確認されていない.
この他,PbVps9タンパク質発現系の確立や,PbRab5b-GFPとTagRFPの二重発現による局在解析の確立を行い,今後の解析のための準備を整えた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マラリア原虫を用いた実験手技の習得に予定以上の時間を必要としたため,当初の達成目標としたほどの研究成果は得られなかった.また,トキソプラズマ原虫のRab5bとマラリア原虫のRab5bの機能相補が確認できなかったため,当初予定していた実験計画を変更し,特定の種にのみしぼって研究を進める必要がでてきた.

今後の研究の推進方策

本年度に確立した手法をもとに,実験材料をマラリア原虫のみとし,二重染色によるRab5bの局在解析を進める.これと同時に,Rab5b機能欠損変異体における細胞内輸送異常を特定することで,マラリア原虫におけるRab5bによって制御される輸送経路の特定を試みる.これと平行し,マラリア原虫においてRab5bと相互作用する因子の特定を試みる.コントロールとしてRab5bの活性化因子であることが期待されるPbVps9を用い,これとRab5bの相互作用が確認できる条件の検討を行う.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Qa-SNAREs localized to the trans-Golgi network regulate multiple transport pathways and extracellular disease resistance in plants2012

    • 著者名/発表者名
      Uemura, et al.
    • 雑誌名

      PNAS

      巻: 109(5) ページ: 1784-9

    • DOI

      10.1073/pnas.1115146109

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Endosomal trafficking pathway regulated by ARA6, a RAB5 GTPase unique to plants2012

    • 著者名/発表者名
      Ebine, et al.
    • 雑誌名

      Small GTPases

      巻: 3(1)(in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The occurrence of 'bulbs', a complex configuration of the vacuolar membrane, is affected by mutations of vacuolar SNARE and phospholipase in Arabidopsis2011

    • 著者名/発表者名
      Saito, et al.
    • 雑誌名

      Plant Journal

      巻: 68(1) ページ: 64-73

    • DOI

      10.1111/j.1365-313X.2011.04665.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A membrane trafficking pathway regulated by the plant-specific RAB GTPase ARA62011

    • 著者名/発表者名
      Ebine, et al.
    • 雑誌名

      Nat Cell Biol

      巻: 13(7) ページ: 853-9

    • DOI

      10.1038/ncb2270

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dynamic behavior of clathrin in Arabidopsis thaliana unveiled by live imaging2011

    • 著者名/発表者名
      Ito, et al
    • 雑誌名

      Plant Journal

      巻: 69(2) ページ: 204-16

    • DOI

      10.1111/j.1365-313X.2011.04782.x

    • 査読あり
  • [学会発表] 液胞膜の融合を制御する2つのSNARE複合体の解析2011

    • 著者名/発表者名
      海老根一生, 他
    • 学会等名
      日本植物学会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2011-09-17

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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