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2011 年度 実績報告書

超分子集合体を鋳型とする構造制御されたナノ炭素材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 11J08805
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

小澤 寛晃  独立行政法人物質・材料研究機構, 高分子材料ユニット, 特別研究員(PD)

キーワード炭素材料 / カーボンアロイ触媒 / 液体材料 / 枝状アルキル鎖 / エチレングリコール鎖 / フルオレンオリゴマー / BODIPY
研究概要

研究目的
ナノサイズで構造制御された炭素材料を創製する。カーボンアロイ触媒を作製可能な分子を素材とした超分子集合体を作製し、白金触媒の代替材料としての応用価値を見出す。
研究実施状況.
分子組織構造体の作製に取り組んだが、高度に制御された構造体の作製には制限が多く、困難であった。そこで新たな手法として、柔軟度の高い液体有機材料を作製し、テンプレートを用いる事で求めるナノ構造を容易に作製できる手法を模索した。研究を進めるに当たり、構造制御作製に適した分子設計を行い、液体有機材料の基礎的な物性を明らにした。
室温液体有機材料の合成とその物性評価
枝状アルキル鎖を持つフルオレンオリゴマーを合成し、その光学特性や物理物性を明らかにした。DSC、粘度測定の結果から、常温において液体状態であることを明らかにした。光学スペクトル測定やX線分析などからフルオレン部分は孤立して存在している事(溶媒和にと同等の状態)が明らかとなった。
触媒保持可能な液体有機分子の創製
液体有機材料の炭素化において、金属触媒の保持がカギであり、それらを可能にする極性の高いエチレングリコール鎖を持つ、液状分子の合成を行った。液体分子のコアとして、BODIPYの選択した。エチレングリコール鎖を有したBODIPYもまた無溶媒、常温において液体状態を維持していたが、光学特性においては、多少のピークシフトと量子収率の低下が観察された。この結果から、多少のクラスタリングが起こっていると思われる。
結果
2種類のコアを持つ液体材料を合成した。それらは常温において液体状態を示し、.高い自由度を持っている。枝状アルキル鎖を有する材料は自身が有機溶媒と同等の働きを示すため、他の有機材料との混合材料を容易に作製する事ができた。混合材料は高い量子収率を示した。この結果は中心コアの機能を最大限に利用できる材料であることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初は超分子組織構造を鋳型とするナノ炭素材料の創製を目指していたが、意図する構造体の創製に至らなかった為、構造制御された組織構造内、表面への加工性に優れる有機液体材料の創製に研究の方向性を一部シフトした。その結果、青色発光性の液状フルオレンオリゴマーや赤色発光性の液状BODIPY、光異性化能を持つ液状アゾベンゼンや液状スチルベン等の開発に至った。これら液状物質の基礎物性を評価に年度末まで従事し、論文としてまとめるに十分な成果をあげている。

今後の研究の推進方策

作製した液体材料の炭素化がについて進めていくためには、自由度の高い液体材料の構造制御が必要であり、逼した固体化手法やテンプレートの模索する必要である。考えられる手法として、液体材料のポリマー化やMOFやポーラス材料などをテンプレートとして構造制御する方法があり、それらについて研究を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Solvent-free Luminescent Organic Liquids2012

    • 著者名/発表者名
      Sukumaran Santhosh Babu, et al
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition

      巻: 51 ページ: 3391-3395

    • DOI

      10.1002/anie.201108853

    • 査読あり
  • [学会発表] Non-assembled Fluorene Oligomers2011

    • 著者名/発表者名
      小澤寛晃、中西尚志
    • 学会等名
      第21回日本MRS学術シンポジウム
    • 発表場所
      横浜開港記念会館(横浜)
    • 年月日
      2011-12-19

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公開日: 2013-06-26  

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