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2011 年度 実績報告書

江戸幕府大目付の政治史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11J09221
研究機関東京大学

研究代表者

山本 英貴  東京大学, 大学院・情報学環・学際情報学府, 特別研究員(PD)

キーワード大目付 / 老中 / 留守居 / 幕藩関係 / 領知宛行状 / 八王子千人同心
研究概要

申請者の研究は、大目付を務めた旗本の日記や大目付の職務記録を網羅的に収集・分析し、大目付の組織と職務および大目付の機構(=制度)上・幕政上における位置づけを明確にすることである。この課題を達成するため、特別研究員としての1年目は、国立公文書館に架蔵される大目付日記の分析を継続するとともに、東京大学史料編纂所に架蔵される老中や奏者番など幕府役人の関係史料を収集した。また申請者の博士学位請求論文の修正に着手する一方、下記の論文を執筆した。
論文(1)「大目付兼任宗門改役の組織と職務」
論文(2)「寛政・享和期における大目付日記掛の勤務実態」
論文(3)「領知判物・朱印状の作成と殿中儀礼-家慶期を事例として-」
論文(4)「寛政改革期の幕藩関係-享和2年留守居一件を素材として-」(仮題)
上記の論文(1)~(4)のうち、(1)と(2)は修正を加えた博士学位請求論文とともに、著書『江戸幕府大目付の研究』として、2011年11月に吉川弘文館より出版した。これにより、大目付の組織と職務および機構上の位置づけについては、申請者として一定の結論を出すことができた。また論文(3)と(4)は、それぞれ査読付の学術雑誌に投稿し、ともに当該学会より「修正のうえ掲載」という回答を得ている。そのため2年目は、論文(3)・(4)の修正を速やかに行い、当該学会誌への掲載を決定させたい。
この他、申請者は著書において、幕府官僚機構の実態を解明するためには今後、老中-老中支配の諸役人-諸役人の下役と編成される幕府職制のうち、諸役人の下役に関わる研究を蓄積することが重要であると問題提起した。そのため、アウトリーチ活動の一環として『八王子市史』の編纂事業に参画し、幕府職制において諸役人の下役に該当する八王子千人同心の分析を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

特別研究員の3年目に計画していた著書『江戸幕府大目付の研究』(吉川弘文館、2011年)の出版を、1年目に達成することができた。これにより、大目付の組織と職務および幕政上における位置づけについて申請者の見解を整理でき、大目付からみた幕府政治史研究に着手するための基礎が固まった。

今後の研究の推進方策

特別研究員としての2年目も、大目付が記した職務日記の分析を継続する。その際、1年目が日記上にあらわれる大目付の日常的な職務に関わる記事を重視したのに対し、2年目は事件に関わる記事を取り上げる。分析にあたっては、大目付の日記のみならず、1年目に収集した老中や奏者番の同時代史料も使用する。それにより、幕府の諸役人は重大事件に接したとき、どのような議論を戦わせつづ事件に対処していたのか、その実態が大目付の動向を含めて明らかになる。2年目は、著書『江戸幕府大目付の研究』(吉川弘文館、2011年)において解明した大目付の機構(=制度)上の位置づけのみならず、幕政上の位置づけについても明確にする所存である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 江戸幕府大目付の研究2011

    • 著者名/発表者名
      山本英貴
    • 総ページ数
      360
    • 出版者
      吉川弘文館

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公開日: 2013-06-26  

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